月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

東山魁夷展@国立新美術館(2018/11/18観覧)

国立新美術館で開催されている、東山魁夷展に行ってきました。

この展覧会、開催されたのが10月末だったので12月に入ってから行けばよいと思っていたのですが、10/24~12/03までの開催と短期勝負だったのですね。慌てて優先順位を上げました。
そんな短期間の展覧会であるせいか(行った日曜の)午前中には20分待ちとなっていましたが、午後になると待ち時間は解消していました。とはいえ、会場内は無茶苦茶混んでましたね……。


展示はいくつかの章に分かれていて、描いた場所によって分類されている、ように見せかけて、実際は時代順の展示のようです。
で、東山魁夷の作品は最初から最後までずっと同じように見えるものの、時代順の展示という前提で見ていくと2度ほど変化した点があるように思えました。

1回目は北欧に行った時。北欧の絵から色彩が明るくなるように思えます(それ以前の作品は経年劣化していたという可能性もありますが……)。
また、東山魁夷に特徴的な緑の多彩さも、北欧を境にしているように思えます。

2回目は1970年代。この頃から白馬が登場するようになりますが、実際の景色を描くのではなく、心象風景でも良いのだと考えが変わったのではないでしょうか。
そういえば、描き方というか構図も変化するように思えます。


今回の展示で一番の目玉だったのは、唐招提寺御影堂の障壁画。これを見るのは2005年以来だと思います。
lunacat.yugiri.org
(13年前の月猫さん、口が悪い……)

今回は御影堂の部屋を再現した展示で、ふすまの裏側の絵まで見えるようにしていたのは良かったですね。
といいつつ、ふすまを外して持ってくるのは理解できるのですが、床の間の違い棚のところとか、どうやって外すんで?

障壁画は、鑑真の故郷である中国の景色から、日本に来る途中で見た海までをなぞっているのですが、何処かのようで何処でもない、心象風景の到達点を感じました。


東山魁夷の展覧会は混雑との戦いになりますが、唐招提寺御影堂の障壁画を見る機会は(現在御影堂を修理中なこともあって)そうそう無いと思いますので、展覧会で見ることが出来て良かったと思います。
とは言え、混雑が激しいのよね(特に物販の……)。