毎年1月2日は、今年最初の展覧会を何にしようか悩むのですが、今年は東京都写真美術館に行くことにしました。
今までですと1月2日は東京国立博物館に行くことが多かったのですが、昨今「博物館に初もうで」の企画が広く知られるようになって混雑が激しくなってきてまして。長谷川等伯の松林図なんて国宝室で五重の人垣の間から見るような感じですから。ならばと、それほど混まない美術館に行こうと考えるのは自然な行動です。
なんて真面目そうに言ってますが、本当の理由は「1月2日は無料」の文字だったりします……。
東京都写真美術館でやっていた展覧会は、次の3つでした。
- 3階:建築 × 写真 ここのみに在る光
- 2階:小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol.15
- B1階:マイケル・ケンナ写真展
このうち地下1階だけは有料でしたが、後の二つは無料でした。3階と2階は美術館の展示室ですが、地下1階は貸しギャラリーのような位置付けなので、無料でないのも判らんでもないです。
まずは3階の「建築 × 写真 ここのみに在る光」。これは東京都写真美術館のコレクションの中から、建築物を主題に撮影された作品を紹介するものでした。冒頭に古典的な作品(写真が始まった頃に撮影された建物を写した写真など)が、そしてその後には作家ごとに建物を撮影した連作を紹介していました。
作家ごとのシリーズでは、二川幸夫の古民家を撮影したシリーズや、宮本隆司の九龍城を撮影した連作が良かったですね。どちらも、今は見ることが出来ない(又は難しい)ものを対象にしているから惹かれたのでしょうかね。
2階の「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol.15」は心引かれる作品がなかったので省略して(ひどい)
B1階の「マイケル・ケンナ写真展」。これだけが有料でしたが、有料の価値のある展覧会でした。
展示されているのはモノクロの風景写真。時の止まったような表現の写真で、冬の厳しさを感じます。こういう写真は好みです。好みすぎて自分でも撮ってみたいと思うのですが、ウィキペディアを見ると長時間露光で撮影しているそうなので、見て楽しむだけにするのが良いみたいですね。流石に雪の降るところで長時間露光する体力も気力もありませんので……。
無料に誘われて見に行った展覧会ですが、2/3が当たりでしたから幸先が良い、と思って良いのではないでしょうか。