5日の土曜日ですが、名古屋市博物館で大須観音展を見て来ました。
大須観音といえば名古屋の歓楽街というイメージがありまして、というか、渡しの場合は電気街のイメージが強いのですが、正直なところ、名古屋にはあまり縁がないので、どういうお寺かよく分かってません。名古屋市博物館が地元密着の展示をやるときは当たりのことが多いので、勉強がてら見てみようと、そんな気持ちで行ったわけです。
今回の展示は、大須観音の中にある大須文庫を中心としたものでしたので、ひたすら文書、文書、文書という展示内容。それでも、展示物の解説や、各章の始まりに書かれている概説が判りやすかったのは、さすが地元密着型の展示と感心しました。
ところで展示の最初の方に大須観音の成り立ちについての説明がありましたが、大須観音の発祥の地が木曽川と長良川に挟まれた中洲の突端というのが個人的には大納得。なるほどその場所なら確かに大須(大洲)ですし、尾張と美濃の境で権力の空白地帯になりそうな、寺社権力が強大化するに適した場所だなとガッテンしたのでした。
ちなみに発祥の地は今でも地名に残っていて、岐阜県羽島市桑原町大須(電子国土Web.Next)のようです。
そんな大須観音は中世の文書センターだったようで、創建が12世紀なのに平安時代に書かれた古文書が展示されてたり(当然国宝)。その古文書は元々東大寺に有ったものが持ってこられていたりと、王子の繁栄ぶりがうかがえますね。
で、江戸時代になると、そんな文書センターとして蓄積された古文書が整理されて大須文庫となって、いろいろな人が研究したりして。塙保己一とか久しぶりにその名前を聞いたわという感じでした。
と、古文書がテーマであったにもかかわらず、展示の構成のお陰で結構楽しんでしまったような気が。それにしても、1000年前の文書が見ることが出来る機会はそうそうないですから、名古屋近郊の方は見ておいて損はないと思います。個人的に、オススメです。
追伸:
それにしても、常設展示に関連展示として、大須の街の賑わいを説明したコーナーがありましたが、現代の大須としてメイド服を竪穴式住居の前に展示しなくてもと思うのですが……(汗)