月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

サントリー美術館「誇り高きデザインー鍋島」

毎週金曜日になる度に美術館の夜間開館を目掛けて定時退社をするというのも考えものですが、今週も行ってみることにしたわけです、六本木に。目的はオルセー美術館展を作品がフランスに帰る前にもう一度見ておこうと思ったから、なんですが……。
いざ六本木に到着するとオルセー展の待ち行列が(2階で開催されている展覧会なのに)1階でとぐろを巻いていて……。オルセーは諦めてサントリー美術館に向かったという訳です。ちなみに、サントリー美術館の後で旅行代理店に行って、パリのツアーパンフレットを入手していたのは内緒です(汗)。


そのサントリー美術館ですが、11日の水曜日から「誇り高きデザインー鍋島」という展覧会をやっています。私は焼き物は余り興味が無いですが、2月にに出光美術館で開催されていた「麗しの器」展以来、鍋島が好きになってしまいまして、今回の展覧会も楽しみに待っていました。


その鍋島展、会場を入って最初の20枚(作品、でも良いのですが、皿ですので……)は鍋島を初期のものから順に展示して、その変遷を見てみるコーナー。こういう展示は勉強になるので好きです。初期の鍋島は九谷焼をダメにしたような(失礼)感じで、濃い色と下手な絵が特徴という感じ。といっても、青海波の文様など、その後に繋がる要素もありましたが……。それが短期間のうちに洗練されて行くのが凄いです。


歴史を俯瞰した後は、構図や色で整理されているコーナー。私の鍋島のイメージは東博で撮影した、これなんですが(今回の展覧会には、同じ構図の出光美術館所蔵の作品が展示されていました)、
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桜のイメージの強い作品を指標にしているので、鍋島のイメージというと染付の上に桜の色絵、ということになっています。ですが、桃の花を文様に用いている作品や、垣根が芝垣になっているもの、あと桃の実やタンポポの花などもあって、結構模様の種類がありますね。あと、壺の文様のお皿はちょっとアニメチックだったり、お皿の上に山水画を描いてしまうものなど、こうなると皿をキャンパスにした絵画の領域です。とはいえ、文様としては桜が一番素敵だったかな……。


折角なのでもう一枚、今回の展覧会で展示されていた作品を載せておきます。
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これって東博で文化財の修理をテーマにした展示の際に撮影したものなんですが、修理の跡なんてどこにも見えないですね……。


と、元々好きな鍋島ですが、さらなる奥行きの広さを感じることの出来た展覧会でした。10月の3連休まで開催されていますので、あと2回くらいは行って堪能したいと思っています。