月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

奈良の古寺と仏像@三井記念美術館

先週の日曜の話になりますが、三井記念美術館で開かれている「奈良の古寺と仏像」展に行って来ました。この展覧会はカビだ虫だで開催場所が新潟から長岡に変更になった展覧会の巡回ですが、それぞれのお寺の御本尊を借りてくる関係上、どうしても展示期間が限られて、要するに長岡の展覧会とは展示されている仏様が違います。


それはともかく今回の展覧会、奈良と仏像がテーマなのに三井記念美術館が会場ではどう考えても手狭というか来場者が捌き切れなさそう。その事には美術館も気づいていたようで、グッズコーナーが1階に出来ていたり、エレベーターホールに専属係員がいたりと混雑対策がされていました。何だけど、私が訪れた時は始まったばかりということもあって全くそんな対策は不要な状況でしたけど……。


さて展覧会ですが、最初は金剛仏。重厚な木目調の壁に囲まれた部屋に小振りな仏様が一体ずつケースの中からこちらを向いています。ちょうど東博の法隆寺宝物館のような光景ですが、金剛仏でこれをやると、本当にそれぞれの仏様が輝いて見えて、3D曼荼羅状態。神々しいとはこのことかと思う次第。
また、一体ずつ独立したケースに入っていると背中をじっくり見ることが出来るという利点があって、仏像の背中フェチとしては思わず魅入ってしまう訳です。今回も法隆寺観音菩薩立像が、美しい背中の曲線と装飾物で素敵でした。


展示室4と7、つまり広めの空間は、奈良の色々なお寺から、仏像が数体ずつやって来ていました。展示室4での好みは薬師寺の十一面観音菩薩立像と弥勒菩薩坐像。この辺りを好みとする辺り、装飾の多い女性的な顔立ちの仏様が好きという自分の性格が良く現れています。

ほんで展示室7のほうですが、こちらは長谷寺の十一面観音菩薩立像や元興寺の如意輪観音菩薩坐像がよかったかなと。やっぱり仏像は顔で選んでしまいます。
あと展示室7には法隆寺の夢違観音なんかもいらっしゃって、何とも贅沢な空間でした。奈良の色々な寺からこれだけの仏様がやって来て、本当に奈良の守護は大丈夫なんだろうか等と、余計な心配もしたくなります。


な、ん、て、今は冷静に書いていますが、展示室7には全ての仏様のパワーを無にしてしまう恐ろしい奴がいまして……それが橘寺の伝日羅立像。座禅のやり過ぎで髪の毛が伸びすぎてしまった様を現しているとのことですが、顔の3倍くらいあるアフロヘア(違います)が何ともインパクトが大きいです。良くそれだけの髪の毛があって、肩がこらないもんだな等と思ったりして、いや、そういう事を思う事も煩悩なのか?。


ということで素晴らしい展覧会なんですが、最期のアフロに全て持って行かれてしまうのは何とかして欲しかったかな、等と思ったりして……。