月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

久しぶりに、大型展覧会巡検

3月11日の震災とその後の電力供給悪化で、多くの美術館がなかなか開館できない状況になっていますが、今週あたりから開館するところが増えてきました。そんなわけで、今日は休みを取って都内美術館巡りへ……。

なお、美術館の閉館もさることながら、どうも震災以降、駄文を書く気力が失せてまして、そちらの方が深刻な問題。なので今回の駄文は、昨日何とかtwitterに連投した感想を、少しだけ再構成して掲載しています。困ったぞ、私の気力……


ということで、展覧会巡り。最初に行ったのは表参道の根津美術館。「古鏡とひなまつり」という組み合わせの展覧会です。流石に金曜の午後ですし、震災の直後ですし、ロッカーが2カ所しか使われていない程度の空き具合。ゆっくり見るとこが出来ます。
先ずは展示室1の「古鏡」のほう。毎度の通り青銅器は良く判らないので何となく眺めて。でも、単眼鏡で眺めると、それなりに文様も面白いですね。でも良く判らない(どっちやねん)。
良く判らない鏡の後に、展示室2は雛飾り。竹田宮家から寄贈されたもんだそうで、確かに菊の紋があちらこちらに。天皇家が作った雛飾りだけあって、何とも細かい作りに圧倒されます。あと、そんな雛道具の中に切子のガラスがあったのが新鮮です。
雛飾りの最後に、雛飾りでない、本物の貝合わせと貝桶がありましたが、その後ろにある屏風は、以前に源氏絵の展示をしたときに見たもの。小さめの屏風に源氏物語の各帖ごとにハイライトシーンを描いたものですが、何か再開が嬉しいです


根津の次に、歩いて向かったのが山種美術館ボストン美術館からやって来た浮世絵の展覧会。平日の、しかも震災で閉館していた直後だというのにしっかりと混んでおりました。昨年、所蔵する浮世絵を展示するときも行列がすごかったですが、山種の浮世絵展は混雑すると思っておかないといけないみたいです。というか、山種は近代日本画に良い作品が多いのですから、浮世絵ばかり混雑するのは美術館としても不本意なんじゃないかと……
そのボストンから来た浮世絵ですが、発色の良いものがありました。正直なところ人物画の浮世絵は苦手なんですが、鮮やかな色を見ていると、人物画も良いじゃないかと感じてしまったり。色って大事ですね。特に清長の作品に、見るものが多かった気がします。


山種を出て、次に向かったのが三菱一号館美術館。ヴィジェ・ルブラン展です。ルブラン展となっていますが、ルブランを中心に18世紀のフランス女性画家の展覧会という感じ。女性の描く女性の肖像画が多数並びます。
女性の描く女性の肖像画はどれもかわゆくて、手元のメモが「かわゆい」で埋まりそうになりまして……途中でメモを取るのを止めましたわ(汗)。にしても、女性が小首をかしげて口を開けるでも開けないでもない感じのポーズ*1って素敵ですわ。
ところで、いつもは西美にあるカベの自画像がありましたが、西美よりも高い位置(暖炉の上)に展示されていたら、西美とは違って見えました。というか、西美で見る以上に自信満々に見えます……。あと、衣装の袖の細かさにも改めて気づいたりして。
そう言えば、何枚か展示されているルブランの肖像画のうち1枚は、ウフィツィ自画像展で出展されていたものをもう一度書き直したもの、でした。解説にもウフィツィ自画像展に触れていたのに少し感動しました。


てな感じで、実は各美術館とも滞在時間が30〜45分だったので一寸駆け足気味でした。ボストン浮世絵展とヴィジェ・ルブランは再訪したいなと思うのですが、日程的に可能かどうか、検討しなくちゃです。


おまけ:山種の近くで咲いていた桜。色から見て、寒桜の一種と思いますが、何だろう?、オオカンザクラ?
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*1:田村ゆかり姫のおきまりのボーズですな