月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

意味もなく九州徘徊

今日は、昨日の駄文で予告したとおり、九州まで来ております。目的は美術館巡りでもあり、九州新幹線乗車でもありということで、美術館巡りしかしない旅が続いている昨今でとしては、比較的まともな旅行と言えるでしょう(たぶん嘘)。


ということで、最初に乗ったのは羽田空港を8時15分に出発する、福岡行きの日本航空。羽田空港のA滑走路(旅客ターミナルと平行な滑走路の内海側)を南に向けて出発した後、東京湾上空を左回りに旋回して、大東京の真上を通過するルートで飛行しました。図らずも上空からの東京散歩状態で、ディズニーランド、レインボーブリッジ、東京タワー、目黒の自然教育園あたりを見ることができました。


福岡空港に到着後は、地下鉄と西鉄を乗り継いで太宰府九州国立博物館へ、というはずでしたが、西鉄が予定していた列車よりも10分速い列車、しかも特急に乗れてしまったので、勢い余って久留米へ。石橋美術館に行ってみることにしました。

石橋美術館西鉄久留米駅から歩いて10分ぐらいのところにありました。西鉄久留米駅は福岡天神から特急で30分程度でしたので、東京だとちょうど府中市美術館の距離感が近いかもしれません。
その石橋美術館、非常に前庭が手入れされているのが印象的です。また、美術館の照明や壁紙の感じが、八重洲のブリヂストン美術館に似ていました。ちゃんと石橋は繋がっているようです。

石橋美術館では高島野十郎展をやっていたので、これを見ます。蝋燭の画家であること等は良く判っていませんが、風景画の中に好みのものもあるように思いました。それよりも、別館にあったコレクション展示の中に、黒田清輝の針仕事があって、これが良かったです。黒田清輝をして日本の印象派本流とするのも良く判る、光の感じがすてきな作品でした。


石橋美術館の後は、今度こそは九州国立博物館へ。「よみがえる国宝」展というのを見ます。文化財の保存技術に焦点を当てた展覧会でした。保存のための虫干しや掛け軸の解体修理、正倉院宝物の復元、更には文化財の公開までを駆け足で見ていきます。こういう美術品そのものに焦点を当てていない展覧会は時として美術品の扱いがあらぬ方向を向いていて、それも楽しみです。今回も重要文化財なのに表側は全く見せずに裏側の修理の後を解説する巻物なんかもありまして、意味もなく表側を見たくなってしまいます。

今回の展示で一番面白かったのは、戦前に上野の帝室博物館(要するに東博)で正倉院宝物の特別展観を行った際の記録漫画(?)。その特別展観には40万人の人が来たそうで、入場の列は西郷さんのあたりまで伸びた、なんてことが描かれていました。あと、特別展観の会場は特別5室だったようです。こういうことも絵を見ると判ります。毎年奈良でやっている、正倉院宝物を巡る狂乱が、東京でもあったというのが新鮮でした。

んで、特別展のついでに通常展の方も見ておきます。こちらは、ムガール帝国時代のインドの細密画が見られたのが面白いです。何となく、日本も大正の頃の少年雑誌にこんな挿絵がなかったかしら?。なおこのインドの細密画、東博の所蔵で、東洋館が再オープンした後は地下に展示室ができるらしいです、というような記事を博物館ニュースで見たような気が……。


九博を出ると外は土砂降りでしたが、エスカレーターを降りて太宰府天満宮に着くと小雨になってました。いったい何なんだ。とりあえず、気を取り直して博多駅へ向かいます。
んで、博多駅では「水戸岡鋭治の大鉄道時代展」なるものを見ます。水戸岡さんというとJR九州両備グループ(岡山電気軌道と和歌山電鉄)のイメージですが、都市デザインとかもやっていて、横浜のクイーンズスクエアも水戸岡さんだったなんてことを知ることができました。ま、展示そのものはパネルばかりで、これで1000円取るか?という気もしないでもないですが。


と、ここまでで展覧会巡りはおしまいで、ここからは鉄道ファンの行動、ということで、「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って鹿児島へ行って来ようと思う。」といいながら九州新幹線で鹿児島中央へ。進行方向右側の席に座ったのですが、外を見ていると、人が手を振っているのが見える気がしてきます。開業記念のウェーブ画像を何度も見たので、かなりすり込まれていまして……。というか、風景に見覚えが有りすぎて、初めて乗った路線に思えません(汗)


そんなうちに鹿児島中央に到着。鹿児島では1時間ほどの滞在で、最終の「みずほ」に乗って新大阪にいかなくてはなりません。1時間ほどなので駅前のビックカメラにで時間をつぶそうかとも思いましたが、そう言えばまともに桜島を見たことが余りないと思って、とりあえずバスで港の方に。水族館前というバス停で降りたら、そこが桜島フェリーの船着き場でした。とりあえず船と桜島を見て、今度は路面電車で鹿児島中央駅にとんぼ返りしたら、中央駅についたのは新幹線の発車6分前。我ながら危ない橋を渡りすぎです……。


そんなわけで、鹿児島中央から新大阪まで、3時間45分ほどかけて乗り通して、新大阪着は23時38分。お疲れ様でございます。


で、明日も朝が早いんですよね……。計画に無理がないか、月猫さん……。