この日曜日ですが、上野の芸大美術館で高橋由一展を見てきました。
高橋由一というと明治時代初期に活躍した近代洋画のパイオニア、重要文化財にもなっている「鮭」が有名ですが私は浮世絵のような風景画が好きという、そういうかたです。
その程度の知識で見に行ったわけですが、とりあえず簡単に感想を書いてみたいと思います。
まずは油絵の画家になる前の由一ということで。
冒頭に髷を結った自画像が出てきます。日本最古の油絵に寄る肖像画だそうで。なんか特徴的な顔だと思ったら解説が楽しすぎで
細部描写に専念するあまり全体のバランスを欠く点などは由一の他作品を彷彿とさせる
えっと、学芸員さん、ナイスです……。
それから水墨画が有りましたが、これは南洋の風景で探検家みたいな格好の人が木陰で本を読んでたりと、それまでの水墨画にない景色に吹き出します。
このコーナー、なんか奇抜を楽しむようなコーナーになってました(汗)
次のコーナーは人物画。しばらく明治の元勲などの肖像画が並んだ後、トリを務めるのは重要文化財「花魁」。そりゃモデルが怒るってば、と言いたくなる顔の方に目が行ってしまいますが注目は服の質感。ファーの感じがよく出ていました。
3つめのコーナーは風景画。風景画を見ると、由一さんだなぁと感じます。特に府中市美術館から来ている、隅田川の土手に咲く桜の絵が好きなんだわ。斜めに桜の枝が横切る、浮世絵もかくやという構図が良いです。
また江ノ島の絵がが3枚有りました。江ノ島って、司馬江漢が描いたものが鎌倉国宝館にあったはずなので、あわせて展示してあったら面白かったかもなどと思ったり。
そして最後に長良川の鵜飼の絵。これが良かった。闇の黒と篝火の赤の対比が素敵でした。
2枚展示されていましたけど東博のものよりポーラ美術館のほうが、色の対比がはっきりしていて良かったです。
そして4番目が静物画。ここは当然、鮭がやってきます。新巻鮭は3本入荷していましたが、中央の重要文化財よりも、右にあった笠間日動美術館所蔵の板に描かれたやつの方が美味しそうでした(いや、絵だから味は関係ないってば)
最後は、地下に降りて東北風景画。山形県令(県知事)の指示で描いた山形・福島・栃木のスケッチが大量展示されていて、物量に圧倒されました。
という感じの高橋由一展、やっぱり風景画が好きですわ、この人。でも他の作品、特に初期の妙な作品も見ることができて、結構面白かったかなと。
ああでも、鵜飼の絵はもう一度見たいので、いつかポーラ美術館に行ってみたいと思いますです。