5月2日、火曜日。
大型連休も4日目にもなりますと、何時までも都内には居られないという気分になるわけで。そんなこともあって、関西に2泊3日で行ってくることにしました。
というか、混雑の予測を見ていると、東京から出発する方は3~4日、東京に戻る方は5~6日に混みそうとなっていましたので、2~4日の2泊3日なら混雑を回避できるんじゃないかという予測です。
そもそも関西では、京博の海北友松展、奈良博の快慶展、大阪市美の木×仏像、と、注目度の高い展覧会が3つもありますので、これらを中心に、いろいろな展覧会を見て回ろうという計画です。
ということで、何時ものように8時過ぎの新幹線でスタートして、
2時間ちょいで京都駅に到着です。
京都では、まずは細見美術館に向かいます。
細見美術館では、愛媛県立美術館の所蔵品で構成する杉浦非水の展覧会。
丁度今、愛媛県立美術館では細見美術館の作品展をやってますので、交換留学のようなものかもしれません(?)
で、杉浦非水といえば三越などでの昭和初期のポスターですが、それらは最初のフロアに集めてあって、下2つのフロアではスケッチや下絵などが展示されていました。確かに杉浦非水はポスターばかり見ていて、それ以外のものを見る機会が殆ど無かったので、今回下絵などを見られたのは貴重な体験でした。
とはいえ、やはり三越のポスターや地下鉄開業のポスター、カルピスの宣伝物など、今見ても斬新で、良いやねぇと思うわけです。
その途中、みやこめっせ前の街路樹も良い新緑ですなぁ。
なんて思っていると、みやこめっせの中で古本市をやってるそうなので、ちょっと冷やかしに覗いてみることにします。
いや、実は今日の予定は余り詰まって無くて、時間に余裕があるのですよ。
なーんて思っていたら、冷やかしどころか、時間つぶしどころか、ミイラ取りがミイラというか。
ともかくも1時間以上いて、最終的に6冊で4266円程使っていたわけですよ……。
全く、3日間の旅行を考えると、初日の正午頃に本を何冊も、荷物になるのに増やすのは良くないのですけど……。
全く、外はこんなに天気が良いのに、何やってるんでしょう……。
ということで、細見美術館から80分かかって、ようやく京都国立近代美術館に到着です。
京都国立近代美術館の展示は、ヴァンクリーフ&アーペルの宝石展なのですが、同様の匠の技をどうぞと日本の工芸の超絶技巧が間に入るという良く判らない構成でした。
なんか、宝石、宝石、七宝、宝石、みたいな感じで作品が並びますので、次は何が来るのか判らない面白さがあります……。
まぁ正直、無理に混ぜて展示しなくても良かったんじゃね?とは思うのですが、東博みたいに沢山展示室があるわけではないので、一企業に貴重な展示室を貸し出すとは何事だ、と言う類いの批判を回避しないといけないのかもしれません……。
というか、京近美はコレクション展示のほうが面白かったです。特に仏画の特集展示で村上華岳の女性的な仏様を沢山見られまして。好きなのよ、華岳さんの仏様は。
京近美を後にして。やはり天気良いねぇ。
3枚目は今までにも良く撮っている場所での撮影なんですが、この位置でとるときに良いアクセントになっていた家が取り壊されていたので、ちょっと画角とか今までとは違います。
そして3ヶ所目で、京都国立博物館にやってきました。ツヅジが良い感じ。
海北友松は元々は狩野永徳の弟子、または兄弟弟子というキャリアからスタートするのですが、狩野派だった時期の作品が3階に、それ以降の作品は2階と1階という構成になってます。で、明らかに3階から2階に降りると作品が垢抜けるのよね。しかも、この時期らしく、狩野派を抜けた後の作品には長谷川等伯的だったり岩佐又兵衛さん的だったり俵屋宗達的だったりという要素も感じられて。
やはり秀吉から家康の頃は、京都を中心に描く画家がお互いの良さを取り入れながら切磋琢磨していたんだろうなというのを感じました。
それから展示で注目だったのは雲龍図の部屋で。雲龍図ばかりで一部屋が埋まるというのも凄いのですが、雲龍図のために部屋の照明を落とせるだけ落として、龍をスポットライトで浮き上がらせるの、上手かったです。いや、京博も粋だねぇ。
と、京博の照明も含めて海北友松展を3週ほど回ったらすっかり夕方で。いや、夕暮の京博も良いやね。