森アーツセンターギャラリーでのエルミタージュ美術館展を見てきました。
世の中には「○○美術館展」というタイトルの展覧会がいくつもありますが、こういう特定の館の品を集めました
的な展覧会は名品を集めただけで焦点がぼけてしまうことも多いのですが、この展覧会はどうでしょうか。
基本的に展示は、イタリア、オランダ、フランドル、スペイン、フランス、ドイツ&イギリス、と、国別に並んでいました。うん、焦点がぼけてしまう時にありがちなパターンだわ(をぃ)。
以下、気になった作品を幾つか
- ウィギリウス・エリクセン「戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像」(01)
- まずは、今回のコレクションを作り上げたエカテリーナ2世さんの肖像から。およーふくがどっしりしているのでふくよかに見えますが、エカテリーナさん、実は結構細いのでは無いでしょうか?(何を見ているんだ、この人は)
- グイド・レーニの工房「エウロパの略奪」(05)
- 毎度おなじみ、可愛い女の子には目のない最高神ゼウス、今回は牛に化けております。可愛らしいエウロパと、牛のくせに凛々しいゼウスの対比が楽しいやね。
- カルロ・ドルチ「聖チェチリア」(09)
- アトリビュートが楽器なので、ピアノっぽい楽器を演奏しております。この絵はね、およーふくが素敵なんですわ。
カルロ・ドルチといえば西美では「親指の聖母」ですが、あの作品同様光が印象的。顔の半分だけ光が当たっていて、聖人の崇高さも表現されているような。
- ピーテル・デ・ホーホ「女主人とバケツを持つ女中」(28)
- 17世紀オランダといえばのデ・ホーホさんです。市松模様の床とか、女性の生活を描くとか、いかにもこの人らしいモチーフだなぁと。夕方っぽい光の温度も、午後のひと時と言う感じが出ています。
- ピーテル・ブリユーケル2世(?)「スケートをする人たちと烏罵のある冬景色」(36)
- 川はスケート場であります、って構図がいかにもブリューゲル。日本にいると街中の川が凍ることは想像できませんが、ベルギーは凍るんですね。
- フランス・スネイデルス「鳥のコンサート」(50)
- 大画面の一杯に描かれた鳥図鑑という感じ。やはりオランダベルギーなら静物画というか博物画(?)は必須でございます。
- シャルル=アンドレ・ヴアン・ロー「スペイン風の読書」(66)
- フランスのロココ絵画コーナーにやってきました。屋外でも生地の多めな白いドレスがかわゆいですな。右で鳥で遊んでる子のおよーふくも素敵です。
- ジャン=バティスト・グルーズ「未亡人と司祭」(69)
- この方の描く絵は可愛いことが多いのですが、今回も中央の娘さんがかわゆいやね。結構好みです。
- ユベール・ロベール「運河のある建築風景」(78)
- ロベールと言えばの廃墟ですね。ですが、廃墟なのに運河は使用可能と言うのも妙な話で……
- ルカス・クラーナハ「林檎の木の下の聖母子」(80)
- クラーナハ、ああクラーナハ、クラーナハ。視線は自然とマリア様へ。可愛いよね。
なんとなくクラーナハが一人で気を吐いている感じで、予想通り全体のテーマはぼやけた展覧会でした。
とはいえ可愛い作品が多かったから、これはこれで良いのです(をぃ)。
というか、この駄文に何回、かわいいが出てきたのでしょう……。