6月26日の土曜日に、出光美術館と根津美術館、そして千葉市美術館に行ったということを、その日の駄文に書きましたが、今日はそのうちの根津美術館について詳細を書いておこうと思います。なんで出光を飛ばして根津なのかというと、根津美術館の今回の展示が今度の日曜(4日)までだから。可能な限り、展覧会の感想は会期中に書きたいもんです……書けないことも多いですが。
その根津美術館ですが、今やっているのは能に関する展示、ですが、能は今ひとつ判らないので私のお目当ては展示室2の「源氏絵コレクション」のほう。根津美術館の収蔵品から、源氏物語を描いた作品を集めたものです。展示されている作品は6点と少ないですが、源氏物語が好きな私のこと、充分楽しめました。
- 土佐光起「源氏物語画帖」
- 色紙くらいの大きさの紙に、源氏物語各帖の名場面が描いてあるようなものです。若紫の帖はやはり、「雀の子を犬君が逃がしつる」の場面です。源氏物語の中で一番、絵にしやすい場面かもしれません。良く考えると、幼女が泣いている様子を垣根の向こうから覗き見して萌えている青年が描かれる場面な訳で……1000年前から萌えという概念はあったという証明でもあるわけですが、危ない場面です……。
- 「源氏物語図屏風」
- 墨一色で、源氏物語の各帖の名場面を屏風に描いているものです。モノクロなのが斬新な感じです。しかも墨が濃かったので、まるで「あさきゆめみし」を見ているような気分になったりもします。
ところでこの屏風には各帖の名場面が描かれているはずですが、幾つもそれが何の場面なのか思い出せない箇所がありまして……、そろそろ源氏物語を読み直さないとまずいようです。
それにしても、源氏物語を元にしてこれだけの作品が作られているわけで、もしも源氏物語がなかったら、日本の芸術はここまで発達せずにもっと中国色の強いものになっていたのではないか、そんなことまで思います。やっぱり、源氏物語をもっと勉強しないと、駄目みたいです。