15日の日曜日の話ですが、前日の駄文に書いた京都国立近代美術館を見たあとは、奈良まで行って大和文華館に行ったのでした。
今回のテーマは、文学作品を題材にした美術ということで、源氏物語や伊勢物語を描いた屏風などがたくさん出ているのだろうと期待していったわけですよ。残念ながら、源氏や伊勢は前半だけで、後半は別のもっと中世に寄った作品が題材で、ちょっとしょんぼりだったのですが……。
ま、とりあえず、気を取り直して作品を見ていきます。
まず前半は、平安時代の文学作品を題材にしたものです。
- 寝覚物語絵巻
- トップバッターで登場したのが、国宝の寝覚物語絵巻。寝覚物語はストーリーが判ってないので入り込みにくいのですが、平安時代の彩色が残っているのが貴重なので。
- 源氏物語色紙絵(奈良大学博物館蔵)
- こちらは16~17Cに作成されたものなので色残りが良いです、といっても、400年以上経っているわけですが。描かれているのは、桐壺、紅葉賀の青海波を踊る場面、葵の千尋と良いながら梳る場面でしょうね。粗筋を覚えていると、絵を見ただけでその場面での会話まで思い出されます。きっと昔の人は、そういう楽しみ方をしていたのでしょう
- 伝俵屋宗達「伊勢物語図色紙」
- 琳派に関する展覧会では良く見かける気がする、宗達の描いた「芥川」の場面。後ろに背負った姫を気にして振り向く昔男がいて。元々詩的な場面ですが、この絵はその場面を更にドラマティックに見せてくれる気がします。
- 伝岩佐又兵衛「源氏物語図屏風」
- 岩佐さんと言われると、確かに顔が長いです。描かれている場面は、若紫の覗き見、澪標での明石上の舟、若菜上の猫、絵合は判りました。あと一つはなんだろ?
- 伊勢物語図屏風
- かなり大柄な屏風で、右隻は八橋にカキツバタ、もう一方の左隻布引きの滝という構図でした。そういえば、布引の滝は新神戸駅からも近いのに、まだ行ったことがないのですよ。早く行かなきゃですね。
- 源氏物語浮舟帖
- 白描で描かれた源氏物語図。白描も良いですよね。なったって劣化しないですし(をぃ)
で、後半は仏教説話、軍記物語、御伽草子などなどが展示されました。
このあたりになるとストーリーが判ってないものが多いですか、どうしても絵だけを見ていく感じになって……結果としてスルーしてしまうものが多くて……。
ま、1点くらいは感想書かないとねということで、
ということで、やっぱり粗筋が頭に入っている源氏物語が題材だと月猫さんは興奮してしまうようで、どうしても饒舌になりますね……。
それはともかく、ストーリーを知った上で絵を見ると、その絵が動いているように見えるのだというのが、今回の発見でした。静止画が連続しているだけの漫画の単行本に動きを感じるようなものかもしれませんが、この感覚、癖になりそうです。
おまけ:大和文華館のアプローチ、さすがにこの季節だと花はないですね……。