23日の祝日の話ですが、根津美術館へ「物語をえがく」と題したコレクション展を見に行ってきました。
この展覧会は根津美術館のコレクションから、物語に関係するものを集めて展示しているものですが、パンフレットを見た感じ源氏物語関係のやまと絵も数多く出そうで、源氏物語ファンとしては見ておくべきだろう……。ということで、感想も源氏物語中心ですけど、簡単に書いておきます。
- 「伊勢物語図屏風」「源氏物語図屏風」(1,3)
- 伊勢物語のコーナーと源氏物語のコーナーに分かれて展示されていましたが、実際には伊勢と源氏でセット。伊勢は屋外、源氏は室内的な絵が続くなと思っていると、宇治十帖で一気に屋外になりますね。
基本的に墨一色で描かれていて、分割線代わりに金の雲が出てくるというモノトーンな作品ですが、それだけじっくり見て楽しめるような気がします。 - 土佐光起「源氏物語朝顔図」(4)
- 朝顔で女童が雪だるまを作る場面が描かれてます。この場面、好きなんだわ。
- 伝住吉具慶「源氏物語画帖」(6)
- 住吉派のやまと絵という伝承になっているようですが、線が細くて直線がしっかりしてて、住吉派のやまと絵っぽくはないなぁと。
- 「源氏物語図屏風」(7)
- 顔長いなぁ……。なのでこれは岩佐さんがいた頃の時代に描かれたもの。真木柱、夕顔、総角、浮舟が描かれているのですが、総角が判らなかったです。どうにも雲隠以降のストーリーが頭に入ってませんわ。それにしてもどの場面も、なんか悲しいところ集めたような感じです。
- 「源氏物語浮舟図屏風」(8)
- 画面いっぱいに船がという構図の大胆さ。これと波の描き方を見ると、描いたのは琳派で間違いなしという感じです。そういえば、船の角度は尾形光琳の白楽天の屏風に似ているかも。
- 住吉具慶「源氏物語図屏風」(9)
- 若菜上の四十の賀と若菜下の住吉詣での組み合わせ、ってなんか珍しい場面を選んでますな。女の人の衣装をとても丁寧に綺麗に描いているのが印象的。
- 「西行物語絵巻」(12)
- 上巻と下巻で絵の描き方が違う気が。書いた絵師が違うのかしら?。下巻に描かれている風景が曲がりくねっていて、奇々怪々なのがちょっと目を引きます。
- 伝狩野山楽「酒吞童子絵巻」(16)
- 異界であることを示すために春夏秋冬の四季を同時に描いている場面が、すごく気合いの入った綺麗さでねぇ。あと、それにしてもよく飛ぶ首だなぁ……。
ああ、やはり感想が源氏物語中心になりましたね……。
展覧会を見たあとは庭園のほうへ。雨模様の天気でしたが、それでも紅葉は良いですね。