何かすっかり毎月の定番行事になっている関西展覧会巡りですが、今月は珍しく泊まりがけで行ってきました。とは言っても昨日はiPhone4の到着を待ってから移動したので京都に着いたのは18時過ぎ。なので美術館巡りは今日1日だけなのです。
んじゃ何で宿泊費を払ってまで前日移動をしたかと言えば、最初の目的地が京都市美術館のボストン美術館展だったからなのです。
ということで、四条烏丸のホテルを8時20分くらいに出発して、バスで京都市美術館に向かいます。もっと気候が穏やかな季節であれば散歩がてら歩いていくところですが、この暑さの中に歩くのは危険ですので美術館前まで勅セクバスで向かいます。到着したのは開館15分前の8時45分くらいですが、この時点で25m程度の列が出来てました。このくらいであれば待つこともなく入ることが出来るでしょう。
で入場した後は、一目散に出口の方へ。出口の方にはモネやルノワールが固めて展示してあり、開館直後の出口近くなので他の人を気にすることなく見ることが出来ます。実はこれ(開館直後に出口まで行って後ろの方から見ていくと空いていて見やすいんだわ)がやりたかったので、わざわざ前泊をしたという次第です。
それにしても、この展覧会は大型連休の頃に六本木で見ているはずなのですが、その時とは印象が違います。六本木では気にとめなかった作品が良い作品に思えたり、全体的に各作品の評価が上がっています。これは一体何なんでしょうね?。ま、六本木の時は森アーツセンターギャラリーだったので混雑の方が気になってしまったというのは有るかもしれません。
その後、京都市美術館で同時開催されていた所蔵品展も見て。上村松園はいつ見ても良いです。
京都市美術館の後は、お近くの細見美術館へ。此処では江戸時代の京都芸術入門といった感じの展覧会をやっていました。京都の賑わいを描いた屏風が各種展示されていたり、江戸時代の京都の絵師の作品を1点ずつ展示していたりという感じ。特に際だった作品があるわけではありませんが、そこは細見美術館ですので、どの作品も質が高いです。此処の展示は見ていると暑さを忘れる、夏の和菓子のような感じです。
細見美術館のあとは、河原町三条の京都Loftに寄って「ほぼ日京都出張所」を冷やかして、再びバスに乗って今度は京都国立博物館。「上田秋成展」と「新収蔵品展」を見ます。上田秋成展のほうは、彼が生きていた時代に京都文化界の層が如何に厚かったかに驚きまして。何しろ、伊藤若冲、本居宣長、池大雅あたりと交流有りなんて言われる訳で……
新収蔵品展は、今回の収蔵品の多くが須磨コレクションが寄付されたことによるもの、という……あの長崎県美術館の中核をなすスペイン絵画コレクションを作ったのと同じ、須磨弥吉郎さんのコレクションだそうで……集める人は本当に沢山集めます。京博に寄贈されていたのはスペインならぬ中国近代絵画等のコレクションでしたが、その稜に圧倒されたかも。
その次に向かったのは、大阪城の横、谷町四丁目にある大阪歴史博物館。此処では鴻池コレクション展をやっています。江戸時代から続く財閥ですので、お持ちだったものも高価なものが多いのですが、ちりとりが漆塗りなのはちょっと……。流石に実用性に欠ける気がします。あと、近代になってからの家財道具なども展示されていましたが、成金ではなく歴史のある家なので、過度に派手なところは無くて、上品な品だと感じます。
そして、谷町四丁目の駅から東西線に乗って生駒まで行って、そこから近鉄奈良線で奈良に向かおうとしたのですが、大和西大寺駅に到着した時点で16時20分過ぎ。この時間から奈良国立博物館で仏像を見るのはちょっと時間が足りない気がするな、どうしようと思っていたら、目の前に16時30分発の近鉄名古屋行、という文字が表示されていて……、気づいたら特急券を買って乗っておりました。このあたり、鉄道ファンの血が騒いでしまったようです。
そんなわけで、大和西大寺から2時間20分も掛けて近鉄名古屋に到着した後は、新幹線に1時間43分乗って東京に到着と,そんな次第です。
結局、奈良国立博物館の仏像展を見落としてしまいましたので、9月26日の会期末までには関西に再び行く必要が出てしまいました。毎月の関西詣では、これからも続くようですね……。