月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

三菱が夢見た美術館@三菱一号館美術館

三菱一号館美術館で開催されている「三菱が夢見た美術館」展。この展覧会は三菱財閥に関連する美術館やら企業やら個人やらが持っているものを持ち寄って展示しようというものです。正直なところパンフレットを見ても、麗子ちゃんはどちらかというと怖いイメージだし、茶碗とかも興味が無いし……という感じで、ま、ゆっくり行こうと思っていました。ですが、この暑さで駅から近い美術館は優先的に行くことになりまして(単に外を歩きたくないだけ)、ちょっと早めに行こうかと、そういうことになったわけです。


まず最初の部屋は日本近代美術。此処にはパンフレットの表紙にもなった岸田劉生の「童女像(麗子花持てる)」が有りました。パンフレットで見るよりも、麗子ちゃんが可愛い感じがします。なんか、もしかしたらこの展覧会、結構期待できるものなのかも?、と少し期待も湧いてきます。

2つめの部屋は、静嘉堂の持ち物から。典籍と工芸と屏風が同じ部屋に展示されているあたり、ちょっとカオスです。
典籍は、室町時代徒然草とか、江戸時代の蘭和辞典とかあって、読めなくても見ていて楽しいです。
それから屏風は、橋本雅邦の「竜虎図屏風」。何故か手元のメモには

雅邦ががおー

という謎の文字が書いてあるのですが……(莫迦)

でもこのフロアで面白かったのは工芸作品。野々村仁清の「色絵吉野山図茶壺」は、地の漆黒が吉野の風景を引き立てていて、気品がありました。
そして、国宝「曜変天目」。茶碗なんて興味のない私ですが、思わず茶碗の中の、濃い青色に引き込まれてしまいました。確かにこれは凄いです。生まれて初めて茶碗に感動しました。
この「曜変天目」は三菱一号館美術館での展示期間は短くて9月5日までですが、9月25日から12月5日までは静嘉堂文庫で展示があるので、そちらにも見に行きたいです。


更に次の部屋は東洋文庫のコーナー。此処では地図コレクションが面白かったです。其れにしても、地図コレクションのコーナーは立ち止まる人が多くて、流れが悪くなるのが難点です。まぁ、立ち止まる気持ちは良く判りますけど。


4つめのコーナーに日本郵船キリンビールの広告デザインコーナーがあって、最後の5番目が西洋近代美術コーナー。
ルノワールさんがいます。「麦藁帽子の若い娘」が大変に可愛くて、何度も戻っては見てしまいました。我ながら、ルノワールの描く若い娘さんが好きにも程があります……
それから、モネの「草原の夕暮れ」。草原に女性が座って談笑しているところですが、これも詩的でよい雰囲気です。

とりあえず、当初思っていたのよりも、ずっと良い展覧会でした。展示替えが多数ですので、10月になったらもう一度、後期の作品を見るために訪れたいと思います。