ブリヂストン美術館の「BEST of THE BEST」展を見てきました。
この展覧会、ブリヂストン美術館の入っているブリヂストン本社ビルの建て替えに伴って5月18日から数年間閉館になることに伴って開かれるもので、石橋財団の持つ絵の中から人気の高いものを選りすぐっての展示となってました。
長期間の閉館となると、ついつい撤退か?と勘繰りたくなりますが、今回の展示の中に新収蔵品もありましたので、まだまだ美術館を続ける気が満々です。ひとまず安心です。
ということで、気に入った作品を……と行きたいところですが、何しろ私が西洋美術を学んだともいえる3つの美術館のうちの1つであるブリヂストン美術館*1がベスト中のベストというわけですから、気に入った作品を挙げていくとキリがないわけで。ということで、泣く泣く15作品に絞って書いてみます。
言ってみれば、My BEST 15 of THE BESTですね。ではどうぞ。
- カイユボット「ピアノを弾く若い男」
- 数年前にブリヂストン美術館がコレクションした作品。これを最初に見たときは画面の明るさというか外光のまぶしさが衝撃だったです。
- モネ「黄昏・ヴェネツィア」
- 中央部分に見える夕焼けの赤から、既に夜の色になった空の青までのグラデーション、それが空と海の両方に広がっていて、良い色です。
- ドニ「バッカス祭」
- ドニさんらしい装飾的な絵。中央の虎も含めて楽しそう。
- ルノワール「すわるジョルジェット・シャルバンティエ嬢」
- きた、ブリ美の看板娘。可愛いですけど、ここまで小さい女の子に対する趣味は有りませんので……(何の話だ)
- ルノワール「少女」
- 紙にパステルで描いた作品なので中々見る機会が無い作品ですが、正直言ってブリ美の看板娘よりもこの女の子の方が私は可愛くて好きだなぁ。
- ルノワール「カーニュのテラス」
- ルノの風景画は時々緑がうねるような表現になることが有りますが、この絵もちょっとそんな感じが見えます。
- モロー「化粧」
- 水彩なのもあって過去に見た記憶があまり無いのですが、こういう東洋風なお衣裳を丹念に描いているモローの絵は好きですわ。
- 青木繁「わだつみのいろこの宮」
- 石橋美術館から出張してやってきました。以前に青木繁展があった時は照明の関係で上の方が光って見えなかったのですが、今回はちゃんと見ることが出来ました。
- 藤島武二「天平の面影」
- 同じく石橋美術館から出張してきた作品。これと「わだつみのいろこの宮」を向い合せにして展示してあって、なかなか良い空間でしたなぁ。
- 黒田清輝「鉄砲百合」
- ああ、これも石橋美術館所蔵だ。黒田清輝の外光表現は、素直に評価します。
- 藤田嗣治「猫のいる静物」
- 藤田嗣治の描く猫さんは、画家が猫好きなのが判る気がして好きですわ。しかもこの作品の場合、猫に驚いて飛び立つ鳥もいることで、静物画なのに動きがあって良いですわ。
- 岡鹿之助「雪の発電所」
- この方の作品を最初に見たのがブリ美だった気が。そのせいもあって、岡鹿之助の代表作はこの作品だと思ってます。平面的、幾何学的な、切り絵のような感じが特徴的。
- シニャック「コンカルノー港」
- 点描、海、船とくればシニャック。この絵は割合、点描の点が大き目な感じです。
- マティス「縞ジャケット」
- 私にとってのマティスの代表作、その1です。ちなみに、その2は愛知県美術館の「待つ」ね。
- ローランサン「二人の少女」
- ローランサン、好きだわ~。なんかもうね、夢見る少女のような柔らかさが素敵ですよ。
うーん、なんか色々ともれた作品もありますが、まぁしょうがない。
個人的にはコローの作品も入れたかったのですが、そもそも展示されてなかったからなぁ。
そんなわけでブリヂストン美術館、数年後に再会した時にはどんな感じになるんでしょうね。ぜひ、展示室が3倍くらいに広くなって、西洋絵画、(石橋美術館から引き上げる)日本絵画、特別展が同時に見えるようになったりするといいのですけど……。
そんな将来を夢見ながら、またね、ブリヂストン美術館。