月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

長谷川等伯展@東京国立博物館

今年一番の噂の展覧会,長谷川等伯展に行ってきました.
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この展覧会,東京と京都でそれぞれ約30日ずつしか開催しないとか,3年前の狩野永徳展で既に予告があったとか,とにかく色んな人にあおられる展覧会です.

といっても長谷川等伯は対決展で見たくらいか?,どうも記憶が薄いのです.そもそも水墨画と桃山期の金ピカ屏風は余り好みではない人ですので,いっても楽しめない可能性が非常に高いわけでして…….


等伯展にいった1回目は2月の27日でしたが,この際はやはり余り楽しめず.手元のメモを見ても,可愛いとか猫とか,そんなことしか書いてません(笑).ということで3月14日に再挑戦.今回は事前に日曜美術館で予習して,音声ガイドも借りて……って,音声ガイドは松平定知の殿ですかいっ.というわけで「その時等伯が動いた」な音声を楽しみながら,作品を見ていきます.

第1章 能登の絵仏師,長谷川信春

京都に攻め上る前の長谷川等伯をたどる,いってみれば等伯前史のコーナーです.どの作品も色が鮮明で,北陸の人が等伯の作品を如何に大事にして如何判ります.絵の緻密さもあって,どの仏様も愛らしく見えます

08.仏涅槃図
後で特大の涅槃図が出てきますので,それと比較するのに手頃な作品です.ですが,若冲の影響で涅槃図を見るとお釈迦様が二股大根に見え,周りの弟子も野菜に見えてしまうのは因果です.それにしても細かい絵です.手を抜いたようなところは全く見あたりません.

第2章 転機のとき−上洛、等伯の誕生−

仏師から都の絵師に変わる等伯,仏様以外の画題にも手を出す中で,色々葛藤があった時期と思われます

16.牧馬図屏風(重文)
ええっと,東博の持ち物ということですが,見た覚えがないですぅ.馬が生き生きしているのがよい感じですが,退色が激しいのが残念なところ
17.海棠に雀図
お父さん雀がご飯を持って家族の元に帰ってきたところ.可愛いってば.
28.山水図襖(重文)
住職が留守の間に襖に一気に書いてしまった絵.図録などでは襖の桐の模様が鮮明に見えますが,実物は墨の色のほうが表に出て,なるほど,桐の模様が雪のように見えます.そう思ってみると,深みのある絵です.

第3章 等伯を巡る人々−肖像画−

35.千利休像(重文)
えっと,教科書とかでよく見る奴でしょうか?

第4章 桃山謳歌−金碧画−

狩野永徳を押さえて仕事をとった,その時歴史が動いた時期の,金ピカ桃山絵画の世界.絵によっては琳派の陰も少し感じたりして.

41.楓図壁貼付(国宝)
何か本物よりも印刷物のほうが発色がよく見えるんですよね,この作品.なんとなく色あせて見えるのが残念なところ.京博で退色具合を再度確認してみる必要があります
43.柳橋水車図屏風
大胆な構図,大胆な省略,琳派の作品といっても問題ないです.橋の丸みが素敵だわ.
46.波濤図(重文)
6幅の掛軸に分けて,波が砕ける様が描かれています.波の大きさが素敵.なんだけど,ガラスとガラスの間の縦の線が邪魔で全景が見えないのが残念です……


と,これでやっと特別1室と2室が終わって進捗50%なんですが,この調子だと残りの半分にも相当時間がかかりますので,今日はここまで.続きは明日にしますです.