大型連休は諸事情があってあまり遠出ができないことになってまして、仕方がないので都内の美術館に毎日出没しようということなのです。
今日行ったのは大倉集古館。ここでは「爽やかな日本美術」という収蔵品展を開催しています。大倉集古館のゴテゴテした建物を見ると爽やかとは何なのかと思い……どちらかというと「暑苦しい日本美術」のほうが建物に合うように思えますが……、要するに滝とか水鳥とか富士とか、、そういった涼しげな絵を集めて展示するというものでした。
一番多かったのは滝を描いたもの。確かに流水や落水は涼しさを感じますね。狩野探幽の瀑布の図など、確かに見ていて爽快かも。
山を描いて爽快感を出しているものとしては、英一蝶や川合玉堂など。英一蝶は江戸時代の作品なのに空撮の富士山ですよ。やはりただ者ではありません、この人。
それから、「四季の若草図巻」というのが展示されていましたが、これが面白かった。2巻の絵巻に正月から12月までの草花が、情景を含めて描かれているというものですが、梅、桜、田植え、紅葉が細密かつ鮮やかに描かれていて、良かったです。これの複製画、売ってくれないかな……。
一点だけ、あまり爽やかに見えない作品があって、前田青とんの「洞窟の頼朝」。まぁ洞窟ですしね……。と思ったら、今年度、新たに重要文化財に指定されたことを記念しての展示だそうで。東博での新指定国宝・重要文化財の展示でパネル展示でしかないのに、ここで展示とは……、もぉ。
ならば、ということで、大倉集古館の後は東博に行って、新指定国宝・重要文化財を見てきました。去年は国宝に蕪村、重文に若冲だったので妙に盛り上がっていた記憶があるのですが、今年はどうも盛り上がりに欠ける感じで……。伊能さんの国宝は、美術品と言うより歴史資料ですしねぇ。