月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

六本木で近代日本画巡り

今、ホテルオークラでは夏の恒例となっているチャリティ展覧会をやってますが、そのついでで、近く(というか同じ通り)にある美術館にも寄ってきたわけです。丁度どちらの美術館も近代日本画をテーマにした展示をしていましたので、簡単に感想を書いておきます。

泉屋博古館分館(テーマに見る近代日本画)

まずは、六本木一丁目駅からエスカレーターで3分ほどの泉屋博古館分館です。
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最初に第1展示室の方ですが、こちらは人物がのコーナーになってました。一番多くのところに上島鳳山の十二月美人が全部出12幅、全部出てきてまして、まとめて全部見るのは本当に久しぶりと思います。やはり好みは1,2,8月かしら(単に日本髪が好きではない疑惑)
時にはそれ以外の月も観察してみることにしますが、よくよく見ると、9月のやつとか、着物の柄が細かくて鮮やかで良いですね(やっぱり女性の顔には興味が無いてない)

それから原田西湖の「乾坤再明」。多分泉屋博古館の近代日本画の中で一番の代表作だと思ってますが、天照大神、じゃない、アメノウズメ(天鈿女命)が、ふくよかでかわゆいいなと。楽しく踊ってますね。


そして第2展示室は、花鳥画や風景画。-望月玉渓などの屏風が沢山ありまして、中央一番奥に東山魁夷スオミがあるけど、さすがの魁夷も屏風の大群にかすみますね……

そんな望月玉溪は川合玉堂の師匠の息子さん。屏風に描かれた白いクジャクの羽がとても緻密で、たしかにこれは四条派だなと。

  • 平福百穂の「松樹栗鼠」は、リスさんがなんとも可愛くて。しっぽの曲がり具合とか、手になんか持って食べている感じとか、思わずつんつんしたくなりますわ(いぢめる?いぢめる?)

大倉集古館(大倉コレクションの精華2)

続いて大倉集古館ですが、こちらは戦前に大倉財閥のパワーで開催されたローマでの近代日本画展に出品された作品が中心。海外公演ということもあるのか、大画面で力んでる感じの作品が多いような?ですが気にいるのは小品のほうが多いわけで……。

小林古径の「木菟図」。ミミズクを描いた作品は大観や山口華楊のなんかも好きですが、これも良い感じ。闇の中に一人佇んでいる感じが、なんか惹かれるのかもしれません。

宇田荻邨の「淀の水車」大和絵風の描き方ですが、水車と戯れるサギさんが可愛いです。

穴山勝堂「桂川の秋」。上の方に上がっていくと、背景の緑がもやっとした感じになっていくのが何とも良いです。


ちなみに、大倉集古館の方ですが、9月3日から後期展示になって、菱田春草の雨後などが出てくるようなので、もう一度行こうかなと思っている次第です。



ということで、この2つに、そのちょうど中間にあるホテルオークラを合わせた3つの展覧会。まとめてみるのには手頃な距離なので、近代日本画に興味のある方は是非どうぞ(って、ホテルオークラは洋画ですけど)。