月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

今年最後の美術館巡りin関西

この土曜日に大阪までコンサートに行ったことはすでに駄文で書きましたが、当然ながらコンサートのためだけに大阪まで往復するわけにはいきませんので、毎度の通りに美術館に寄ってきたのです.というわけで、今年最後の関西美術館巡りの旅、簡単に振り返っておきます。


ということで、出発は何時もの東海道新幹線。7時30分発と少し早めの時間。途中富士山がすごくきれいだったのは、前日が雨だったせいでしょうかねぇ。


新幹線を京都で降りて最初に向かったのが細見美術館板橋区立美術館細見美術館の所蔵する江戸狩野派と江戸琳派の作品を使った、狩野派と琳派を比較する展覧会です。板橋美術館からは名物の解説もやってきているところがミソ。唐子遊図屏風を「フォーチュンキッズ」とか、板橋の解説はいつも通り冴えてます。基本的に板橋美術館の所蔵品には毒があるものが多いと思っていますがここは細見美術館。毒ではなく可愛いものが主流で見ていて和みます。

細見美術館でカワイイ成分を補充した後は、京阪と近鉄を乗り継いで大和西大寺。大和西大寺駅に巨大な駅ナカが出現していて驚いているまもなく、雪が舞う中を平城宮跡へ。別に雪の中、建物が無くて風の強い平城宮跡を彷徨うなんてことをする気は毛頭無く、まっすぐに資料館へ。ここでは国土地理院が協力して測量に関する展示をやっていると聞いたのでやってきたのでした。中に入ると、5万分の1集成図や立体地図、航空写真などが展示してあったりして地図好きには見ているだけで楽しい。いや、万人が楽しめるかどうかはよく判りませんけど。
明治初期の2万分の1(たぶん、フランス式迅速図ってやつですかね)が張ってあって、奈良駅は実は奈良市街地の外れに有ったことが判ったりします。今となっては市街地の中にあるように見えますが、当時は駅の西側は田んぼしかない。そういうことが判るもの古地図の楽しみです。
と、地図は見ていて飽きないので、会場にも貼ってあった5万分の1集成図を買って帰りました。家に着いてから確認したら、なぜか2部、袋に入っていまして……1部の分しかお代は払っておりませんが……。

平城宮跡から大和西大寺にもどって、次は大和文華館へ。google様のルート検索に従って菖蒲池で降りて歩いたら、大回りかつ未舗装道。すっかり騙されてしまいました、というか、久しぶりにEZ路地ウォークを思い出してしまいました……。
大和文華館では改築記念の所蔵名品展。外光を取り入れた明るい室内が、少し鳥目気味な私には嬉しいです。様々な名品がありますが、やはり俵屋宗達の芥川に見入ってしまいます。まぁ私が道ならぬ恋がどうしようもなく好きだという点を割り弾いて考える必要がありますが、この絵の1カットから前後のストーリーがすべて見えてくる感じで素敵です。

芥川に酔いしれた頭で、今度は学園前駅まで歩くとあっさり5分ほどで到着。さっき道に迷ったのは何だったんだ?という感じですが、ここで14時30分。慌てて昼食を摂って次に向かうのはサントリーミュージアム天保山。食後なんで生駒から先の地下鉄中央線ではすっかり睡眠となりました。

そんなわけでサントリーミュージアム天保山に到着したのは15時50分頃。この後のコンサートのことを考えると、16時30分には出たいところ。正味40分しかありませんが、そもそも今日の美術館巡りは、26日で営業を終了するサントリーミュージアムの最期を看取るのが主目的ですから、見ないという選択肢は無いのです。
やっていたのはサントリーが集めたポスターに関する展覧会。このポスターはサントリーミュージアムが閉館した後は大阪市に譲渡されるそうですが、大阪市がポスターの企画展をそう頻繁にやるとは思えませんので、このコレクションを見る機会は今後は余りなさそうです。そんな理由もあってか、展示室だけではなく観覧券を販売する2階のフロアにもポスターが沢山貼ってあり、しかも2階は写真撮影可。ここぞとばかりに撮影します。撮影に熱中しすぎて、展示をちゃんと見る時間が全くなかったのが最大の反省点です。


ということで、今回は4カ所とも展示が面白すぎて時間が足りなくなってしまいました。せめてもう30分、速く家を出るべきだったかも……。