昨日も書きましたが、この土曜日は細見美術館の「お江戸の煙波と狩野派」展を見てきました。こちらの展覧会は以前にも見ていますが、そのときは第1期で今回は第3期という位置づけです。つまり、第2期は見忘れたと、そういうことになります。
その前回見たときにも書いていますが、この展覧会の特徴は板橋区立美術館の作品を大量に借りて、細見と板橋の共催展のような趣になっていること。ですから、板橋区立美術館が持っている普段余り見ることが出来ない作品も色々見ることが出来ます。それ以上に、板橋区立美術館名物の解説手法も細見美術館に持ってきていますので、解説で楽しむことも出来ます。
例えば、狩野典信の唐子遊図屏風はサブタイトルが「フォーチュンキッズ」になってしまったり。確かにこの子たちはかなり楽しそうです。、また、鷹の掛軸 (狩野深淵「鷹図」)の副題は「祝!男子誕生」……。虎の絵は子供の成長を願って描かれることが多いからの副題ですが、そんなことも自然に覚えることが出来る、良くできています。
こういう楽しいサブタイトルや解説板はほかの美術館でも取り入れて欲しいですが、たぶんカイ学芸員さんの能力というかセンスにかなり依存してしまうので簡単ではないでしょうね。
解説板ばかり見ずに、作品も見てみます。まず、酒井抱一の雪中檜小禽図。雪の中にしては幹の垂らし込みがくどい気もしますが、垂らし込みを無くすと只の形式美になってしまいそうだし……。ただ、小鳥は可愛いので、是非正月用の掛軸に欲しいです。
また雛祭図の五人囃子が何とも可愛かったです。で、そのひな祭り図を見ながら思い出していたのが、板橋のひな祭り図。お姫様がお内裏様に囁いているような感じが素敵な何だけど、あれはもう一度見たいもんです
それから源氏物語浮舟図。舟の上の浮舟が怖がっているように見えるのは、この先の展開を知っているせいなのか……。宇治十帖の恋は、内に閉じて行く恋(谷山浩子さんの「王国」のような恋)に思えて…… これはこれで好きですが……。って、絵の感想になってません。
と、やっぱり作品は琳派のものばかり見ていますね。来年は酒井抱一の生誕250年なんてのもありますので、きっと江戸琳派の作品も沢山見ることが出来るのではないでしょうか。
できたら、鈴木其一展もどこかでやってくれると、私は非常に嬉しいのですが……。