先週は土曜日の夜に岡山で一泊して、日曜の朝に岡山県立美術館に行ったのでした。
ここで開かれていたのは「長谷川等伯と雪舟流」。もともと岡山県立美術館は、雪舟が岡山県の出身であることから雪舟に関する作品を集めていましたが、これらの作品に「雪舟五代」を名乗る長谷川等伯を絡めて展示しようというもののようです。
展示は前半が長谷川等伯、後半は雪舟と雪舟に連なる方々の展示で、後半の方は収蔵品を用いての展示となってました。後半については様々な方の作品が玉石混淆状態で展示されている感じで、今ひとつでしたが、前半の長谷川等伯は良い感じでした。そもそも、長谷川等伯だけで25点とか、2010年の等伯展や、昨年の出光での展覧会以来じゃないかしらというボリュームからして贅沢です。
作品は、初期の仏画から始まって、だいたい年代順に展示されている感じでした。仏画は細かさに感心するものの、あまり興が乗ってこないのは、2010年の等伯展と同じ感想です。
ということで、中盤以降に屏風が展示されると、じっくり見入ってしまいます。ということで、屏風について感想を幾つか書いてみます。
- 花鳥図屏風(妙覚寺蔵)
- 等伯としては早い時期の花鳥画なのか、上の枝や鳥の描き方が室町時代のの水墨画を思い起こさせます。でも力がある感じです。
- 花鳥図屏風(個人蔵)
- 金箔を貼った屏風に描かれれている、智積院の障壁画の魁のような作品。下の方に描かれている滝が長谷川さんらしい描き方だなと
- 柳橋水車図屏風(MIHO MUSEUM蔵)
- 長谷川派を代表する宇治川の景色、琳派を超えた琳派という感じです。左右で作者が違うかも、という説もあるとか。それにしては綺麗につながってますよね、宇治橋。
- 瀟湘八景図屏風(東京国立博物館蔵)
- 岩の描き方が、波濤図のものによく似いています。また、もやは松林図屏風の描き方に似ているなと。パッと見、様々な作品を書いている等伯ですが、各作品にはちゃんとつながりがあるなと。
- 烏鷺図屏風(DIC川村美術館蔵)
- カラスが3羽、輪になって喧嘩している姿が好きだわ、これ。あと、サギの飛んでいる姿も楽しくて。
いや、どの作品も2010年の等伯展などで見ているものですが、再開できてよかったです。名古屋に行くついでに岡山に寄ったかいがありました。
展覧会メモ
名称:長谷川等伯と雪舟流
場所:岡山県立美術館
会期:2012/01/20(金)-2012/02/19(日) [9時〜17時、月曜休]
料金:1000円