1月28日のことですが、西宮市立大谷記念美術館の「新春に寄せて」展を見てきました。
この美術館は初めて行ったのですが、阪神西宮駅の隣駅、香櫨園駅から5分ほど歩いた所にあって、割合行きやすいという印象です。
今回やっていた展覧会は、近代の日本画や油彩画をテーマにしたもの。それを「1.描かれた容姿」「2.花鳥と静物」「3. 移ろう景色」の3つのテーマに分けて60点ほどが展示されていました。結構好物な絵が多かったです。ちょっと簡単に、展示室ごとに感想を書いてみます
第1室
この部屋は、3つのテーマの作品が呉越同舟していました。多分最初の部屋なので、各テーマを象徴するような作品を集めたんじゃないかと。
まずは小磯良平「ギターを弾く男」。小磯さん絵で好きなのは、白い服は光沢感。それがこの作品中の助成の服に出ていました。あの光沢はフランス人形譲り何でしょうね。
橋本関雪の「倦女」。巨大な万葉絵です。鹿がリアルでねぇ。その鹿が藤の花を食べているのが楽園な感じです
横山大観の「大和心」。桜と太陽で大和心とか、タイトルがとても嫌な感じ。まぁ1941年だから仕方が無いでしょうか
第2室
ここは「1.描かれた容姿」の専用フロアでした。部屋に入った正面には、左から上村松園、菊池契月、伊東深水、島成園……。なんとも良い眺めです。
伊東深水の「吹雪」。もうね、この女性の顔が素敵なんだわ。なんだろ、輪郭のない感じが良いのでしょうか(って、美しくないように聞こえる言い方)
菊池契月の「小町」は、色を抑えて白と黒、という感じなのに、十二単の小町に視線集中です。不思議です。
島成園の作品は何点かありましたが、少しくっきりした感じの描き方と、発色の良さが良い感じでした。
第3室
ここは「2.花鳥と静物」のフロアでした。やはり生き物は見ていて楽しいですわ。
菱田春草の「秋林遊鹿」。リアルに描かれた鹿と、装飾的な秋の林の感じが対照的で面白いです。というか、こんな雑木林、本当に有りそうな。
福田平八郎の作品が2点ありました。竹も紅葉も切り取り方がいいですわ。
第4室
再び1階に戻りまして。ここは「3. 移ろう景色」のフロアでした。水彩とかもあってちょっと他の部屋と毛色が違う感じです
川合玉堂の「奔滞」。全体的に凄くリアルに描いているのに、水しぶきがちょっと北斎チックに感じる部分もあったりして、見ていて楽しいですね。
青山政吉さんの水彩画。水彩とというのもあるのでしょうが発色が良いです。特に桜のピンク色が好きですよ。
と、すっかり最近は近代日本画が好物なのもあって、楽しんでしまいましたわ。この美術館、過去にも面白そうな展覧会をやっていたようなので(休憩室に過去の展覧会の図録があった)、今後の動向に要チェックのようです。
展覧会メモ
名称:新春によせて 近代の日本画・油彩画
場所:西宮市大谷記念美術館
会期:2012/01/02(月)-2012/02/12(日) [10時〜17時、水曜休]
料金:500円