静岡県立美術館での美少女の美術史、16日が最終日ということなので、大慌てで行ってきました。
実は今週末の16日が最終日なのにまだ見てない展覧会が、渋谷、横浜、静岡、岐阜と広範囲に散らばっていたのですが、最優先はこれだろうということで。いやその、萌学は私の専攻のようなものですので……(?)
さてその美少女の美術史ですが、静岡県美の展示*1では全体が3章に分かれていました。
まず最初の章は、「それは時と場合によります」と題して、歴史社会学風に美少女の歴史を追う感じ。
まずは少女すごろくから始まって、竹下夢二、高畠華宵、中原淳一、内藤ルネ、りぼんの付録と畳み掛けるように可愛い物が出てきてテンションがあがります。とは言っても残念な我はそれぞれ数作品ずつなので、ちょっと物足りない。まぁ、美少女というテーマが広すぎて、どうしたって摘まみ食いな感じになりますわね
2章目は、「すがたかたちも大切だと思います」と題して、見るための少女芸術、すなわち「観用少女」を取り上げます。
えっと、「観用少女」っつーたら川原由美子さんの「観用少女(プランツドール)」しかないだろと思うわけで、そのタイトルを付けるならプランツに触れて欲しかったとは思うのですが、それは置いておいて。
この章では、前半は大正時代の少女を描いた日本画やボスター、後半は現代のフィギアという感じでした。ここは前半の作品をお持ちの大阪市近美と京都市美の圧勝というか、私はどうも3Dが苦手なのよね。この二つの美術館が持っているお嬢さん方に再会できたのが嬉しかったのですよ。特に、池田蕉園さんのトロンとした目とか、橋本花乃の「七夕」の女の子とか、何度見ても可愛いのです。
ちなみに本来ならこの章に含まれると思うのですが、菊池契月さんの「少女」が、1階の入口を入ったところにある巨大なオブジェ(これも今回の展覧会の作品ですが)の裏に隠れていてまして、危うく見落とすところでした。このお嬢さんも好きなので、見落とさずに気づいて良かったですわ。
最後に3章は「こころと口と行いと生きざまもて〜少女美術における精神的なるもの」となっていて、少女美術を様々なパターン(跳ぶ、聖なる、見つめる、など)に分けての紹介でした。
この賞でのサプライズは、丹羽阿樹子さんの「遠矢」(京都市美術館所蔵の、弓を引く洋装のお嬢さんの絵です)が露出展示だったこと。服の模様の箇所で絵の具が盛り上がっているのも見えましたし、テンションあがったわ。展示ケースがないと、一層綺麗でしたね。
ちょっとそれ以外については、それまでの章がパワフルすぎたせいかちょっと物足りない。さっき書いた遠矢を別にすると、obさんの作品くらいかしら、惹かれたのは。
obさんの作品は、巨大な焦点の定まらない目が、不安を煽る感じで、気になりましたわ。1階に撮影可能な作品がありましたので、紹介しておきますね。
そんなわけで美少女の美術史は、テーマが広すぎるせいかもっと見たいと思う部分もありましたが、自分の趣味的に良い展覧会でした。万人に薦められるかは、ちょっと不明ですが……。
で結局、図録とクリィミーマミ30年記念の本を買って展覧会終了です。いやその、クリィミーマミはそろそろちゃんと勉強せんといかんのだよ。うちの姫君を知るためにも(結局そこか)。