月猫ツーリスト雑記帳

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日本画の余白@京都市学校歴史博物館

京都の中心部にある京都市学校歴史博物館というところに行ってきました。
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ここは京都市四条通にあるデパート藤井大丸から南に5分ほどという場所にありまして、廃校になった小学校を使って学校教育歴史を展示をしているところです。

で、そんなお堅い博物館で今回やっていたのは、「日本画 余白の美」という近代日本画の展覧会。
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日本画と学校ってそんなに関係ないんじゃ?とも思いますが、京都との学校出身の画家もいますし、母校に寄贈された作品なんてのもありますし、そもそも京都市学校歴史博物館の館長さんは上村淳之さんですからして……。


ということで、京都画壇の近代日本画が30点ほど展示されていましたが、その中で気に入った作品を簡単に紹介します。

上村松篁「鴛鴦」
一番最初に展示されていた作品。上村松篁さんの描く鳥は可愛くってねぇ。これもオシドリさんが可愛いです。
展覧会タイトルに関係したところだと、鳥を絵の上半分に寄せて描いたことで、水面が見えてくるような感じがします。
榊原紫峰「梅に雀」
雀さんがぷくぷくしてて可愛いの。梅をついばんでるのなんて特に。
三輪晃勢「夏草」
木の幹に止まっている黄色い蝶が夏なのに涼やかで、なんか夏の風のようなものさえ感じます。
西村五雲「油断大敵」
寝てるウサギの横をカメが着実に追い越していくというイソップ物語を描いた絵です。なんかイソップ物語を題材にした作品がある、というのがいかにも小学校ぽいなぁ(この作品、元々は本能小学校が所蔵していたそうです。)。ウサギの足とか五雲さんらしいリアルさです。
山口華楊「南天に小禽図」
余白なんて全くなくて枝だらけの画面の中に、小鳥さんがかくれんぼ。これは探す楽しみですね。
小野竹喬「春景」
春の淡い茜色が画面を覆っていて。こんな良い夕暮れの時間が私は好きです。
上村松篁「金魚」
かなり横長ワイドな作品で、あちらこちらに金魚が描かれてます。よく見るとどの金魚も出目金さんで可愛らしいんだ、これが。
山口華楊「凝視」
ライオンさんが中々リアルに描かれています。リアルなライオンと言えば竹内栖鳳の獅子図を思い出しますが、この作品も竹内さんのと同様、京都市動物園のライオンを見ながら描いたんでしょうかね。ちょっと上からライオンを見下ろしたような構図なので、ライオンさんも上目づかい気味なのが可愛い気もします。
上村松篁「白木蓮」
白木蓮の枝先だけをアップにして大胆だよなぁ。
西山英雄「瀬戸内」
これはどこだろう?前に大きな島が見えるので尾道でしょうか?(って、違う気もするのですが)。その目の前の島、山頂に向かって耕していった感じが描かれていて、耕して天に至るってこういうことだよなぁと。


京都画壇は四条円山派の影響もあって生物を描くことが多くて、しかも学校にあるような作品なのでなおさら生き物率が高くて……基本的に生き物を描いた作品を見ると反射的に可愛いポイントを探してしまうので、可愛い以外の感想が無いですな(汗)。でもやっぱり、上村松篁さんにしても山口華楊さんにしても、可愛いのよね、動物が。



おまけ:展覧会を見終わって外に出てみると、雨で前庭が濡れてました……って、どう見ても前庭じゃなくて校庭です……
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