山種美術館で行われている、東山魁夷の展覧会を見てきました。
山種美術館の展示は基本的に全部見に行っている私、東山魁夷はそれほど好きってわけではないのですが、山種なら気持ち良い作品を見ることができるはずと思って、年明け早々に行ってきたのでした。
ところで実は同名の展覧会が6年前にもあったようで、その時の感想も載せておきますね。
lunacat.yugiri.org
6年前の駄文を読み返しての感想ですが、基本的に進歩してねーな、月猫さん……。
気を取り直して、今回の展覧会の作品を紹介しておきます。
- 東山魁夷「月出づ」
- 展示の冒頭にあった作品。ですが、これ過去に見たことありましたかしら……(といいつつ、2015年の時の展覧会の作品リストには載っていたのですが)。
山が二段になって奥に月という構図は有りがちな感じもしますが、里山らしい風景にも見えます。
- 菱田春草「月四題」
- 夜の葡萄を描いた作品がありましたが、ちょっと若冲の葡萄図を思い出します。
本当にこんな感じで月明りで葉が透けて見えるのか、葡萄は一度葉っぱをちゃんと眺めないとと思っているところです。
- 東山魁夷「年暮る」
- 京洛四季が4枚とも展示されていましたが、これは冬の作品。他の季節が郊外を描くいているのに対し、これは洛中(正確には鴨川の西側から東側を眺めて描いているので洛中かどうか微妙ですが)なので一番京都らしいです。
ぜひそのまま「そうだ 京都 行こう」に使ってくれないかな、JR東海さん。
- 山口蓬春「新宮殿杉戸楓4分の1下絵」
- 皇居新宮殿にある絵の下絵なのですが……4分の1でもでかいですし、むちゃくちゃ丁寧ですし、画材にお金かかってますし……。
なので下絵ではなく本画として鑑賞可能なのですが、報酬さんらしい、ベタ塗しているように見せかけてグラデーションが美しかったりするのが良いですわ。
- 東山魁夷「満ち来る潮」
- 今回のメインとなる展示ですが、群青と金箔で表現されている岩の、濡れた質感が最高ですね。
ついでに波のきらめきは金と白金でお金かかってますわ。
- 上村松篁「日本の花・日本の鳥」
- これも皇居宮殿に納品された絵を元に描かれたものですが、さすが松篁さんで、鳥がかわゆいのですよね。
顔や羽を面的に塗っているのにちょっとした繊細さもあるのが、かわいさの秘訣なのかしらと。
- 川合玉堂「渡頭の春」
- 掛軸になった縦長の画面に川と川船が描かれていますが、本当に玉堂さんが描くと里山の春になりますな。
- 山口蓬春「錦秋」
- モミジの上に小鳥が二羽。モミジが鳥さん専用の敷物のような。
- 東山魁夷「白い峰」
- 冬山の雪をかぶった木々を描いたものですが、その雪の質感ですよ。胡粉を盛り上げた質感が最高ですね。
- 川合玉堂「雪志末久湖畔」
- 玉堂さんには珍しく冬を描いた作品です。この絵は色が最小限なのですが、色が無くてもこんな色と感じられる、冬の湖畔です。
うんやはり、玉堂さんとか蓬春さんとか、東山魁夷以外の作品で盛り上がってしまう月猫さんですな。