東京国立博物館では資料室1階のホールを改造して、バーチャルリアリティ映像を放映しています。ちゃんと確認したわけではないですが、企画が東博、映像の作成と当日のナビゲートは凸版印刷、という役割分担のように見えます。
このミュージアムシアター、先月までは興福寺の孝行息子、じゃなかった、阿修羅像をテーマにしていたこともあって何時行っても満席でしたが、この土曜はテーマが唐招提寺に替わったのと、特別展が開催されていないのとの相乗効果で、開始20分前に楽に座席が確保できました。というか、半分くらいしか席が埋まってませんでした。交換客が少ないと、無料のシアターとはいえ先行きが心配になります。
というわけで、唐招提寺のバーチャルリアリティ映像、TBSが制作に加わっているところから、数年前にやっていた唐招提寺展で放映された映像を再編したもののようです。
バーチャルリアリティ映像なので、まるで実際にその場にいるかのように見える、という触れ込みなのですが、「それでは最初は、金堂の屋根に登ってみましょう」などといわれると、ちょっとバーチャルすぎて、ついていくのに一苦労だったりします。まぁ、屋根の上は見晴らしが良くて、鴟尾の大きさが高さ1.2m、幅1m何てことも知ることが出来ます。割合、解説はちゃんとしています。
今回残念だったのは、解説が金堂の建物自体と、御影堂の東山魁夷に集中したことで、仏様については全く登場しません。折角バーチャルとはいえお寺に行って、仏像を見ることなく帰るというのは、どうにも据わりが悪いもんですが、このあたりはお時間の関係なんでしょうかねぇ。
まぁ、それはともかく、東博で時間があるときは、なるべくミュージアムシアターを見たいと思います。やはり人に説明して貰うことで判ることって有りますからね。