月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

てんこ盛りの京都市美術館

土曜のことですが、神戸で行われる谷山浩子さんのコンサートに行くため、関西に向かいました。コンサート自体は17時30分から開始ですが、東京駅発7時23分の新幹線で京都に向かいます。こんなに早い時間に家を出たのは、10月7日の駄文にも書いた通り、京都市美術館などに寄るため、ということです。


ということで、10時過ぎに京都市美術館に到着しました。ここでやっていたのは「高島屋百華展」「京都日本画の誕生」の2つの特別展と、「画家たちのヨーロッパ」というコレクション展。同時に3つの展覧会を1階だけで出来てしまう建物の大きさに一寸驚きます。というか、東博だって3つ同時に平成館2階だって出来ないでしょうに。


最初に入ったのは「高島屋百華展」。手前の方には近代日本絵画が有りました。竹内栖鳳横山大観東山魁夷平山郁夫と、なんでも出てくる感じ。やっぱり栖鳳の描く富士山は大観のものに比べて緩いなーとか、平山郁夫さんの「ペルセポリス炎上」は高島屋の所蔵だったかなどと見ていきます。

日本絵画の次は織物というかタペストリー。掛け軸なのに虎を刺繍で描いているとか、無駄に元気です。

「世界三景雪月花」という巨大な掛け軸、ベニスの月(竹内栖鳳)、吉野の桜(都路華香)、ロッキーの雪(山元春挙)という陣容ですが、ここで吉野の桜を混ぜるところが日本人らしいわね。


次に見たのが「京都日本画の誕生」。最近、日本の近代絵画に興味が出てきている私としては、あの人もこの人も京都なんだという驚きがありました。

最初に登場したのは円山応挙の「牡丹孔雀図」。近代絵画の最初に応挙というのも、良く考えると不思議ですが、京都の絵画は応挙に始まるという意思の現れでしょうか。
川端玉章の「花籠と金魚図」。金魚を見ている猫がいい味出してるわ。でもこの猫、この絵を原画にして作った染め物に描かれている方が可愛いのはご愛敬でしょうかね。
上村松園の「待月」。後ろ姿も美しいのが松園らしいところでしょうか。
竹内栖鳳の「おぼろ月」。ごんぎつねの世界ですが、狐が可愛いわ。狐の輪郭線を見ていると、山種美術館の斑猫を思い出させます。
菊池契月「散策」。えっと、本当は歴史ものを描く人だと言われましても、どうしても出光美術館で見て以来、契月さんは少女を美しく描く画家ということになっております。この作品も、犬と散歩している、というか、犬に引っ張られている少女が素敵ですわ。


そして3つ目が「画家たちのヨーロッパ」。先日Bunkamuraで見た「フランダースの光」で登場した太田喜二郎の作品が沢山あって、この前見たということを意識してしまうせいか、すごく目立ちます。幾つか、このままBunkamuraで展示すれば良かったのにと思う作品もあったりして。


いやそれにしても、大雨だったことも合って、同じ建物の中で3つの展覧会を見ることができたのは効率的でした。
それにしても、3つも展覧会を同時に見ると、すっかり体力勝負でしたわ……