月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

正倉院への長い道のり

京都中心部のホテルで目覚めたのは8時前。中心部に宿を取ったおかげで、今日はゆっくりと行動が出来ます。結局移動を開始したのは9時一寸前と、いくら何でもゆっくりすぎます。

まずは地下鉄で京都駅まで移動して、昨日の反省を生かしてコインロッカーに荷物を預けた後、湖西線大津京駅へ。大津市歴史博物館に向かいます。街路樹が色づいているのを見て、そういえば11月なんだなと思う次第。そういえば先月は秋のことをすっかり忘れてコンサートに行き続けていたので、すっかり季節の流れを忘れています。


大津市歴史博物館で行われていたのが「大津 国宝の旅」。大津の仏教美術に関する展覧会です。私はすっかり勘違いしていたのですが、今回の対象は湖国ではなく大津市。なので湖北や湖南の仏様は対象外です。とは言っても大津市には延暦寺三井寺石山寺とあるので、作品は充実しています。たとえば、石山寺縁起絵巻は色もしっかり残っていて、見ていて楽しかったです。瀬田の唐橋や逢坂の関など、大津市にゆかりの場面が展示されているのも良かったです。
でも、大きな寺の作品よりも、大津市内の小さなお寺の仏像(観音菩薩)が、かわいらしくて素敵でした。炭の付き方からして使い込まれたものでしょうけど、そういったものの方が良い気がします。
それにしても、出てくる仏像や仏画がことごとく平安時代のものなのには、東国の夷としてはうらやましい。関東じゃ鎌倉以降のものは沢山あっても、平安時代のものはお寺には余りありませんから。


大津市美術館から浜大津駅まで歩いて、京阪電車で京都の三条京阪へ。この後は一気に京阪電車で大阪に行くつもりでしたが、駅にあるポスターを見ているうちに気が変わって、京都国立博物館へ。冗談で「大袈裟展」と呼んでいる「高僧と袈裟」展です。

その「高僧と袈裟」展。冗談抜きでく大・袈裟展でした。これだけ一度に袈裟を眺めると、さすがに袈裟というものがどういうものか見えてきます。いや、ジュニアガイドが置いてあったおかけで理解を深めることが出来たのも確かですけど。
一番気に入ったのは、夢想疎石の肖像画に描かれているのと同じ袈裟が展示されていたの。本当に絵と同じ文様なのは面白いです。それにしても、高僧の着るものはいい素材のものを使ってますね。保存状態も良いし。


京博を出た後は、今度こそ本当に京阪で大阪へ。INAXギャラリーを少し眺めた後に、大阪歴史博物館で「淀川」展。ここって大阪市立だっけと思うほど大阪市内の話に終始してた感じに見えるのが少し勿体無い感じです。江戸時代の枚方や高槻の話があっても良かったのに。まあ、淀川展というよりも、新淀川(淀川放水路)の話が中心だったので、仕方がないのかもしれませんが。
面白かったのは、先史時代の淀川、というか河内湾の地図があったり、新潟や徳島の河川改修の例が出ていたこと。地図を見ると興奮するのは何なんでしょうね。


大阪歴史博物館からは、地下鉄で谷町九丁目に移動して、近鉄の上本町駅まで歩いて近鉄で奈良へ。谷町九丁目と上本町は徒歩連絡可能となっていましたが、実際に徒歩連絡してみたら遠かったです。これだったら、森ノ宮駅まで歩いて鶴橋駅で乗り換えた方が、まともだった気がします。


ということで、昨日に続いて2日連続の奈良ですが、まっすぐに奈良国立博物館を目指します。奈良国立博物館に着いたのは17時少し前でしたが、さすがにこの時間は行列がありません。正確には17時30分以降の夜間割引チケットの列がありましたが、私は奈良国立博物館の年間パスポートを持っているので、17時30分を待つことなく、無料で入ることが出来ます。
それにしても正倉院宝物。毎年恒例の行事で行っていますが、毎年楽しめるのがすごいところです。正直、世界中の人に言いたい。悔しかったら1300年以上前の朽ちてない木工製品を持ってきてごらんなさいって。

結局正倉院展は閉館20分前の18時40分まで滞在してました。さすがに閉館時刻が近づくと、かなり空いてきます。落ち着いてみるなら閉館間際がよいようです。


この後は近鉄で京都に出て、コインロッカーの荷物を回収して、いつものように新幹線で東京に戻ると。結果として、2日間で9つの展覧会と、よく頑張りました……。