月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

第62回正倉院展@奈良国立博物館

11月7日の日曜日にして誕生日に、奈良の正倉院展に行ってきました。正倉院展に行くのは毎年の恒例行事になっていますが、会期が18日から20日しかない正倉院展、日程調整が大変です。元々は11月7日は札幌でのコンサートに行こうと思っていましたが、正倉院展を優先しました。

また正倉院展は1日平均1万人を超える混雑でも有名ですが*1、今回はその対策として、閉館時刻に近い、遅い時間に入場してみることにしました。ありがたいことに正倉院展は土日に19時まで開館していますので、17時20分くらいに入ってみました。なお、17時30分からは夜間割引料金で入れるそうですが、手元に奈良国立博物館の年間パスポートがあるので、割引料金を無視しての入場です。


その正倉院展ですが、新装なった西新館のこけら落としでもあります、ということで、最初に注目するのは展示室。 展示室は照明が結構明るかったのが意外でした。本館をあれだけ暗くしたので新館も真っ暗闇になると思ってたんですが。でも鳥目な私には有り難いです。
また、展示ケースはガラスが反射の少ないもので見やすかったです。ケースの照明もLEDでしょうかね。スポット照明がしっかりしていて、これまた展示品が見やすいです。やっぱり技術の進歩って素敵です。


さて、肝心の展示物。一番の注目は螺鈿の琵琶「螺鈿紫檀五絃琵琶」。19年ぶりの出展だそうです。琵琶は大型ですし、螺鈿細工が美しいので注目なのは判りますが、ケースの一番前で見たい人用の列がとぐろを巻いていたのは何なんだろう……。私は面倒なので当然のように列には並ばず、遠くから単眼鏡で見て済ませました。遠くといっても1列目では無いだけなので、それなりに近寄れますし、1列目は全体を見るには近すぎ、詳細を見るには肉眼では遠い感じで中途半端ではないかと。離れて全体を見て、さらに拡大して詳細を見るのが良いように感じました。
あとこの琵琶、表側の中東っぽい螺鈿の絵も良いですが、裏の花模様が私は好きです。なんか書きながら、ことごとく自分がひねくれている気もしてきましたが……。


また、ナウマン象の第三臼歯が薬としてあったりしました。こんなもんまで竜の歯と言って薬にしてしまうあたり、漢方恐るべしです。


西新館の方にあった銀の壺。一面に草原を馬に乗った人が狩りをしている様子が彫刻されているの、細かくて素敵です。隣の奈良県美で開催されている花鳥画展では古墳の壁画なども展示されていたので、この壺も立派に花鳥画として通じそうです。それにしても、馬の表情や獲物の形などが当然ながら場所によって違うので、見ていて飽きません。

あと、金色に輝く壺があると思ってみると、「佐波理水瓶」という水差し。佐波理とは銅の合金ですが、きれいな色をしていました。注ぎ口が人の顔なのは、ペルシャとかあっちの方の影響なんでしょうかね?

それから、奈良時代の色紙が有りました。いい感じに退色していて、ちょっと使わして欲しいです(をぃ) 。


と、今年も71点しか出品されてない割には、長時間楽しんでしまいました。毎年行っても毎年何かが違って楽しいのが正倉院展。来年も何とか参加したいもんです。

*1:1日あたりの入場者数トップは毎年、正倉院展