堺市博物館で開催されている、アルフォンス・ミュシャ展に行ってきました。
このミュシャ展は先日も書いたとおり、去年の7月に三鷹で展示されていたのもが巡回してきたものです。去年の7月の時は、最終日に行ったのもあって大混雑。確か15分ほどで会場を通り抜けた記憶があります。
今回の堺は、特に京都や神戸からは遠いところなのもあって、三鷹と比較すると足が向きにくいのかもしれません。とにかく空いていまして、ミュシャの作品をじっくりと見るとこが出来ました。
展示は大きく、「パリ時代」「アメリカ時代」「チェコ時代」に分かれていますが、大半はパリ時代の作品。ちょっと時代分けの意味が不鮮明な感じがします。
ま、とりあえず、その時代区分ごとに作品の感想を書いてみたいと思います(アメリカ時代は作品数も少ないので省略ですが)。
パリ時代
パリ時代は、ミュシャと言ってイメージするアール・ヌーヴォーなポスターなどが描かれていた時代です。この頃の様式美は、人物よりも背景に現れているような気がして。なんとなく、花とか模様の方が活き活きと描いている気がします。
もちろん、人物も素敵で、サラ・ベルナールの髪の毛が立体交差しているのが装飾的で素敵です。
「夢想」という作品は、ふりふりふわふわした感じが何とも好み。絵葉書も買ってきたりして。
あとビスケットの広告なのに貴婦人とイケメンが描かれているのがあって、手元のメモには「イケメン(ジャマ)」と……。なんなんだ、私は(汗)。
あと、ミュシャというと四季や植物、抽象名詞を女性に置き換えた連作がありますが、それらも展示されていて。四季の中では春が好きです。
最後の方に、百合の中の聖母の下絵がありました。下絵ですけど、充分にふわっとした感じがなんとも良いですわ。
チェコ時代
チェコ時代になると民族主義の中、スラブ民族の画家という側面が強くなります。そのこともあって、描く作品も壁画などが中心になるわけですが、当然ながら壁画は持ってこれず、下絵が展示されています。
そんな中で「ヒヤシンス姫」、これは珍しくもこの時期に描かれたポスターですが、パリの華やかさとチェコの民族的なところが程よく混ざっているのが良いところと思います。これも絵葉書を買ってきてしまいましたわ。
という感じで、結構堪能してしまいました。やっぱり、混みすぎていると見落とすようなことでも、空いていると気づくもんですねぇ。