日曜日の日ですが、山種美術館での「日本画どうぶつえん」を見てきました。
この日は、この展覧会の講演会があるので山種美術館に伺ったのですが、初動が遅かったせいで、30分しか見ることができませんでした。それでも十分堪能できるのが蔵が深い山種美術館です。
今回の展覧会は、山種美術館の所蔵する近代日本画の中から、動物が描かれたものを、描かれている動物で分類して展示するというもの。コンセプトとしては西は京都国立博物館で行われている「百獣の楽園」と同じでございます。
まず最初に登場するのは竹内栖鳳の「班猫」。この猫は振り向いてこちらを見ている目がすてきなのです。この猫はかなり気が強いと、いつ見ても思います。今回はかなり近寄ってみることができるのでいつも以上にじっくり見ますが、かなり猫の毛を細かく描いていますね、これ。
ウサギの絵は、奥村十牛さんの作品が二つありましたが、どちらも、もっふもふで可愛いです(それは絵画の感想じゃない)
このあと、リスや馬、牛、羊など哺乳類が続いた後で、鳥がやってきます。
砦目を聞くのはフクロウ。横山大観の「木兎」は、本来は木菟なんでしょうが箱には草冠がない状態で墨書されているそうで、このタイトル。横山大観の絵は大味に感じることが多いのですが、この木菟は丸っこくって可愛らしいです。墨の背景が、夜の森の番人らしくもあります。
もう一つフクロウでは、山口華楊の「木精」。森の中、木の根に止まってこちらを振り向いている木菟。これも神秘を感じて引き込まれます。
それから、鳥といえば専門家の上村松篁。「閑鷺」の鷺に、かわいさを感じてしまいます。正確なんだけど省略されたように感じる線が、かわいさの秘訣ではないかと。
小部屋の第2展示室の方には、昆虫やは虫類を描いた絵が飾られます。この部屋の中央には速水御舟の「炎舞」を飾るべきでしょうが、これは後期(8/23〜)の展示。今は代わりに、同じく速水御舟の「昆虫二題」が展示されています。この絵に描かれている蝶も、羽に鱗粉を塗っているのではないかと思うほど、鮮やかです。やはり引き込まれますね。
と、やっぱり30分なので丁寧さに欠ける観賞になってしまいましたが、動物は楽しいですね。
それにしても、猫可愛いな、猫……。