月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

ホノルル美術館所蔵北斎展@三井記念美術館

三井記念美術館での、北斎展に行って来ました。私年は珍しく、開催初日の訪問です。

この展覧会、元々は去年の4月に行うはずでしたが、大地震の影響で1年間、開催が延期となっていました。その間、当初予定通り金沢や京都を巡回して、本来ならハワイに帰るところを帰国を延期して東京にやってきたというところです。
当初は、東京での開催が中止という観測もあったので、金沢まで8月に見に行ったりもしたのですが、それは置いておいて。


今回の北斎展、一番の特徴は全部が揃った揃物がたくさんあるということで。例えば「富嶽三十六景」は46種類全部揃っている、「百人一首姥か絵説」は連載打ち切りになった時の校合摺まで展示されている、という感じです。
揃物で出ていたのは、「富嶽三十六景」「諸国名橋奇覧」「百人一首姥か絵説」「詩哥写真鏡」「諸国滝廻り」「琉球八景」。これらが前期後期の両方を見ると全て見ることができます。
ここがちょっと残念なところで、前期と後期を合わせないと揃物が揃わないのはなんか勿体無いなと。去年の金沢では、会期が1ヶ月と見じかかったこともあって、1フロア全てが富嶽三十六景、というのに腰を抜かしましたので……。ま、揃物が揃っている楽しみは、次の巡回先、いわき市立美術館までとっておきましょう*1

作品の状態は、紙が折れたり縒れたりというのは余り無いのですが、色はとんでもなく発色の良い物もあり、普通のもありという感じ。総じてレベルは高いです。と思ったら、図録を見ると、世界で一番よい発色とされるあったようで……気づかなかった……。もう一回見なおさないとかもです。


揃物以外では、「地方測量之図」が地図好き、地理好き、伊能忠敬は神、の人(要するに私)には外せません。事前に、望遠鏡から測量の目標地点まで雲母で線が描かれていると聞いていたので、必死に探したら、確かにありました。ビームのように見えますけど、こういう遊びは好きだなぁ。


ところで今回は展示が少し変わっていて、普通は額装された浮世絵をピクチャーレールから釣るのですが、今回は斜めになった台の上に置いてあるのが多かったです。じっくりと細部を見るのに適した置き方だと思いますが、この影響か、初日なのに既に混んでいるように感じてしまって……。あと、斜めになっている絵を覗きこむので、ガラスに鼻をぶつける人が多かったように思えます……。鼻や手がガラスにぶつかった人は、脂を拭きとってから次の絵に入って欲しいのだけど……。

*1:って、行く気なのね、私