今日12日に、JR各社が消費税増税に対応した来年4月からの運賃を国土交通省に申請を出しています。
- JR北海道:http://www.jrhokkaido.co.jp/pdf/131212-1.pdf
- JR東日本:http://www.jreast.co.jp/press/2013/20131209.pdf(概要) http://www.jreast.co.jp/consumption-tax/(詳細)
- JR東海 :http://company.jr-central.co.jp/company/others/_pdf/yotei_gaku.pdf
- JR西日本:http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/12/page_4933.html
- JR四国 :http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/13-12-12/01.htm
- JR九州 :消費税率の引上げに伴う運賃及び料金の変更について *1
一応、国土交通省の認可前ですので最終決定ではないですが、基本的にはこれで決まるのではないかと思います。
ただ、ちょっとややこしいのがJR東日本で、ここは消費税を正確に転嫁することを目的に、ICカードについては1円単位の運賃としています。で、券売機で切符を買うときは10円単位となります。券売機の方を1円単位にするには、自社だけでなく他社の券売機も含めて対応が必要なので、これはこれで仕方がないのかなと。
しかし、券売機での10円単位が曲者で……
乗車区間 | IC乗車券 | 券売機 |
---|---|---|
山手線内、電車特定区間*2 | 1円未満切り捨て | 10円単位に切り上げ |
上記以外 | 1円未満切り捨て | 10円単位に四捨五入 |
となるので、東京近郊以外の場合では、IC乗車券の方が1~4円高くなるケースが出てきてしまうという……。
JRの運賃は東日本単独では決められない、JR全社を通しての共通ルールなので、簡単に切り上げにできなかったのは理解できるのですが、大丈夫なんでしょうかねぇ。
とりあえず、ICカードの方が割高になる運賃だと問題になりそうな点は、2点思いつきます。
まず1つ目が、国土交通省が10月29日に出した通達「消費税率引上げに伴う公共交通運賃(鉄道、バス)への1円単位運賃(ICカード利用)の導入について」に反していること。このなかで国土交通省は、「・ICカード運賃は現金運賃と同額ないしそれより安価となることを基本。」と、わざわざ書いてますし、更には念を入れて「鉄道・バスにおける具体的な端数処理の方法」[PDF]という資料まで出してますからね。これを無視されるとは思ってなかったんじゃないかと。
そしてもう一つが、ICカード普及という観点でどうなんだという。都心部に居ると感じませんが、ちょっと地方に行くと、鉄道には決まった区間にしか乗らないという人も多いのです。その人たちが、自分が普段乗る区間が、実は普通に切符を買った方が安いといわれたら……Suicaを持つ理由が無いですよね。
JRとしては、Suicaを使ってくれる方が自動改札機のメンテナンスは楽になる*3し、券売機のスペースを減らして他のことに有効活用できるし、ビッグデータから色々な分析ができるしと美味しいことだらけのはずですが、そんなSuicaの普及を阻害するような運賃を持ってくるところが謎だなぁと。
とりあえず当面は、国土交通省が許認可権をどう行使するのか、注目かなと思っています。