奈良の飛鳥にあるキトラ古墳は、その真北にある高松塚古墳とともに、石室内の彩色壁画が見つかったことで有名になった古墳です。
その壁画、石室内の環境が変わってカビが生えるようになったため、壁画は剥がして修復することになりました。
その修復が一段落ついたからでしょうか、奈良から東京に持ってきて展示することになりまして、それに行ってみたわけです。
展覧会概要(東博Webページ):http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1646
ただ壁画と言っても、玄室を構成する石ごと古墳から取り外したわけではなく、石の上にある漆喰と柄の部分を剥がしただけですので、基本的に薄くて脆い*1。そんなものを500kmも陸送するだけでも一苦労。全くもって無茶するなという感じですが、国立文化財研究所と国立博物館が合併して国立文化財機構になったことで、両者の協力関係が出来たのでしょうね。
ということで展示ですが、その前に展示室に入るまでが一苦労でして……
入場規制を開始しました。入場までの待ち時間:約80分 会場内の壁画(実物)観覧の列待ち時間:約30分 入場までは屋外に待ち列があります。水分補給や日差し対策をするなど、体調を崩さぬようお気を付けください。
— 特別展 キトラ古墳壁画 (@kitora2014) 2014, 4月 29
多分これが一番待ち時間が長い時のだと思いますけど、こんな感じで最大2時間近く待つ可能性があるという。
ですがこのキトラ古墳のtwitterアカウントがこまめに待ち時間をツイートしてくれてますので、それを見ながら空いた頃を見計らって行くのが良いでしょうね。
ちなみに傾向としては、
- 平日も休日も待ち時間は変わらない。むしろ平日のほうが長めかも
- 午前中のほうが混雑している
- 金曜日の夜間開館や、土日の17時以降は空いてそう
- と言いつつ、大型連休後半の2〜6日は多分大混雑(ゑ?)
こんな感じだと。
というわけで、日曜の夕方というタイミングを狙って行ってみたわけですね。
東博に入ったのは16時過ぎですが、その時の状況は……
清明上河図よりは空いてるよね、うん。
このあと東博の中をウロウロして17時過ぎに列に並びましたが、建物の外で5分、建物の中は10分ちょいで壁画に到着しました。美術館めぐりも戦略が大事です(?)。
その壁画ですが、やはり薄くて脆いものなので完全に水平にしての展示でした。その代わり、通路の方を嵩上げしてあって、覗き込みやすくなってました。壁画自体はそんなに大きいものではないので、この石室で寝るのは身長が高過ぎる私には辛いのではないか、などと余計なことも考えてしまいますが、それは置いておいて。キトラの壁画は全体的に色や線が綺麗に残っていたのがびっくりでした。高松塚の壁画がすっかり退職してしまったことを考えると、ちょっとした事でこの絵は消えてしまうわけで。そんな風に消えることもなく、1300年以上たっても残っている絵だと思うと、本当に凄いです。
あと展示の最後に、高松塚の壁画を模写したものがありましたが、前田青邨が監修というのに驚いて、ちゃんと記憶に残ってないのは失敗したわ……。
おまけ:
表慶館では関連展示として、飛鳥の紹介や、キトラ古墳壁画をタッチパネルで拡大できるコーナーが有りました。
「天上の虹」の原画もありましたよ。