3月15日のことですが、京都国立博物館の常設展示を見てきました。
この日はなんかプロジェクションマッピングをやるとかで本館前に巨大な装置(たぶん投影機)があったりしたので、実は上の写真は1月に撮ったものだったりしますが、まぁ気にしないでください(?)。
この日は特別展は開催されてなかったのですが、特集展示が2本立てであるというので訪問した次第です。正直なところ、そんなに展示内容に期待していたわけではなかったのですが、今までで一番お気に入りの多い展示だったので簡単に感想をあげておこうかと。
※3月15日が最終日だった展示が多いため、今は展示されていないものが多数です。ご了承を
さて展示は、3階の陶工のコーナーが閉室だったので、2階奥の絵巻物のコーナーから見ていきます。
- 奈與竹物語絵巻
- 後嵯峨帝の恋物語、というか、帝が人の奥さんを取っちゃ駄目でしょ(汗)。江戸時代の写本ということで線などは大味な気もしますが、綺麗な彩色が良かったです。
- 源氏物語葵絵巻
- この絵巻、人の数が多くて細かいのが特徴的で、ちょっと洛中洛外図屏風にも通じる人の多さです。
江戸時代初期に描かれたらしく、六条御息所の家に小袖を着た人がいるのはご愛嬌。 - 仏涅槃図(甚目寺)
- 仏画のコーナーは涅槃図の大特集。甚目寺のものということは、名古屋市博物館でも見ているかもしれません。
釈迦の足に振れる老女に髭があるのを「これが本当の蛇足」と指摘する解説が何ともノリノリです。
あと、嘆き方がオーバーアクションで判りやすいですな。 - 仏涅槃図(知恩院)
- こちら、さらにオーバーアクションで、ひっくり返ってる生き物や人が普通の涅槃図よりも多い気がします。
- 式部輝忠「葡萄に栗鼠図」
- リスというよりは夜行性の小動物というかんじ。毛がふさふさしていて、細かいのが特徴的。
- 伊藤若冲「群鶏図」(旧海宝寺)
- 全部で鶏が13羽。ゆるいのもあり、りりしいのもありと、色々です。
それはともかく、ひよこの可愛さと、羽の筋目描きが見どころかと。 - 呉春「芋畑図襖」
- 夜の畑なんでしょうか。淡い色彩の葉が消え入りそうな感じで。
1階に下りて、特集展示のほうも見ておきましょう。まずは、ひな人形の特集展示。
- 享保びな(大内びな)
- 面長で、十二単に綿たっぷりで。この十二単は着ると重そうです。
- 御殿飾りびな
- 御殿は、ちゃんと対屋もある寝殿造りでして、三人官女が対屋から物を運んできてるようにセッティングされていたのが面白いです。何となく、源氏物語の胡蝶帖を思い出す光景です。
もう一つの特集展示は、天野山金剛寺の名宝。天野山金剛寺と言われてもピンときてませんでしたが、河内長野にある女人高野のことでした……(関西のお寺に対する学習が足りてません、私)
- 日月山水図屏風
- 緑の山に雪の山、多岐に水の流れ、一面にある松。こういう景色を見ると、春日権現記絵巻を思い出します。
- 延喜式神名帳
- 神社ずらずらと並んでいる、式内社の名簿でございます。ちょうど山城国のところを開いているのが京博らしいサービスでしょうか。
という感じで、あっさり30分くらいで見終わらせるつもりが、端折って見ても90分ということになりまして……。
東博だけでなく、京博も侮れないですな……。