月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

いつだって猫展@名古屋市博物館

名古屋市博物館で開催されている、いつだって猫展を見てきました。
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私は犬と猫のいずれを選ぶかと言われれば断然ねこ、という人でして。都内にある松濤美術館でやっている犬の展覧会には行こうとしなくても、猫の展覧会なら名古屋まで足を運んでしまうわけです。

そもそも犬はこっちが何もする気がないのに人を見るといちいち吠えてくるのが良くなくて、吠えられるのが嫌なので一定の距離を開けて歩いてもこっちの顔を見て吠えてくる、あの弱い者いじめにも通じる根性がどうしても好きになれません。それに比べたら猫はこっちの都合はお構いなしで自由気まま、過干渉さえしなけば引っかかれることもないわけで、犬と比べて何倍も安全です。
まぁその、お前の場合は性格自体が猫なだけだろ、と言われればそれまでなんですが……。


と、自分のことは横において名古屋の猫展です。この展覧会、前半は浮世絵に見る江戸時代の猫と人の関係をたどります。「浮世絵」と「猫」といえば、当然ながら第一人者は歌川国芳。なので、展示されている作品も国吉オンパレードになってました。

月岡芳年「猫鼠合戦」
猫が鼠を取ろうとするのに対して、鼠が猫をからかいながらかわしていく様子が絵になっています。多分「トムとジェリー」はこの絵を原作にしたのだと……(違います)。
歌川国芳「心学雅絵得猫と鼠」
猫がしきりにネズミに酒を勧めてまして……酔ったところを食べてしまおうというのが猫の作戦のようですが、まぁ、お酒には注意ですね。
歌川豊国「浮世舞台香 松助風」
この猫さん、表情がいいなぁ(隣にいる美女のことは無視)
歌川国芳「婦女鏡 豊」
お嬢さんが障子の張替え中なのですが、張替えのためにできた格子の穴のところから猫さんがよっこらしょっと。といいますか、障子の張替えの原因を作ったのも、この猫さんなんじゃ?。まぁ、障子を破るのは猫さんのお仕事なのでしょうがないです。
歌川広重「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」
毎度おなじみ、2階の格子窓から外を眺めている白猫さんです。見ている方が皆さん、可愛いと言って通過していくだけあって、本当に後ろ姿だけなのに可愛いのよね。この猫さん。
歌川国芳「五拾三次之内 岡崎の場」
こちらもお馴染みの岡崎ダンシング猫さん。化け猫であっても踊ってる猫さんは可愛いわ。黄色い色がよく残っているのが珍しいです。
歌川国芳「荷宝蔵壁のむだ書」
『(ニャロメではない)』とか解説にわざわざ書かなくていいから(笑)
歌川国芳「猫の百面相 荒獅子男之助ほか」
この辺りで、歌舞伎役者を顔だけ猫に取り替えて描いたものが続きます(役者絵が描けなかった時期の苦肉の策)。猫の役者絵シリーズは、そういえばあまり見たことなかったかも。当時の役者の写真でも残っていれば、似ている点とかもわかって面白いのでしょうかね(江戸時代に写真を期待してはいけません)
歌川国芳「三段目」
こちら、ネゴが演じる歌舞伎の様子でしょうか。賄賂で贈る進物も鰹節にまたたびなのが猫さんらしい。
歌川国芳「猫の曲鞠」
なんか水彩で描いたような色合いです。猫さんが毬を蹴りながら曲芸をしていて、器用だなぁと思いますが、きっと猫なら出来るんじゃないかしらとも思うわけで……。
歌川国芳「猫の当字」(なまづ、たこ、かつを)
こちらも有名な猫の当て字シリーズ。体か柔らかいなぁと思いますが、きっと猫なら出来(以下同文)


そして後半、というか2つ目の部屋の半分くらいでは、江戸後期から明治の猫の人形が展示されていました。伏見人形の猫の置物があったり、招き猫さんが大集合してたり、可愛い、良い空間でございました。


と、こうやって感想を書き連ねてみても、圧倒的な歌川国芳の存在感で……。国芳が今の時代にいたら、どんな猫を描くんでしょうね。



おまけ:なぜか名古屋市博物館の前庭も猫だらけになってまして……
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