山種美術館で、花をテーマにした所蔵作品展をやってたので、見てきました。
山種美術館の展覧会は基本的に収蔵品を取っ替え引っ替えして展示しているので、ほとんどの作品が見たことのあるものです。なので、お久しぶりと同窓会のように眺めるのが毎回となっています。今回は、花のある方が同窓会に呼ばれたと、そんな感じです。
そんな、今回の同窓会にお集まりの方は、こんな方々。
- 渡辺省亭「桜に雀」(02)
- この人はデフォルメしない写実的な描き方が特徴ですが、桜も雀もデフォルメせずとも可愛らしいのが良いです。
- 石田武「吉野」(05)
- 吉野の桜を扱った作品は、山種にはこれと土牛さんの作品がありますが、石田さんの方が写実的。写実的でありながら、桜が一色ではないのを表現してるのは素晴らしい観察眼かと。
- 奥村土牛「醍醐」(04)
- 土牛さんは吉野ではなく醍醐を展示してました。土牛さんの桜は白とも見間違えそうな主張しすぎない程度のピンクが綺麗ですわ。
- 鈴木其一「四季花鳥図」(44)
- 近代日本画専門の山種美術館ですが、若干は江戸時代の作品をお持ちです。ということで其一さんの屏風が登場。きいつさんの、この何かぴたっと時を止めている感じが、華やかさと緊張感が同居していて好きなのですよ。
- 山口蓬春「梅雨晴」(24)
- 蓬春さんの紫陽花。この紫陽花は好きでクリアファイルを一体何枚買ったことやら(買ったことを忘れて買ってしまう物忘れなだけです)。タイトルの通り晴れているのですが、それでもみずみずしさを感じる紫陽花って好きですわ。
- 田能村直入(45)
- 田能村さんというと南画のイメージですが(竹田とごっちゃになってる気もしますが)これは丁寧な写実。鮮やかだし濃淡も良いです。
- 上村松篁「日本の花・日本の鳥」(46)
- 屏風に花と鳥を描き散らしたものですが、この人は花より鳥だよな、と、鳥の描かれている左隻をみて思うわけで。やはり鳥のデフォルメの仕方が上手いですね。
- 杉山寧「朝顔図」(29)
- 杉山さんでも淡い色の絵が描けるんですね(そういうこと言わない)。鶴の曲線がかわゆいです。
- 酒井抱一「月梅図」(42)
- 今回の撮影可能作品。毎回1作品だけ撮影可能って、よく思いついたなと思います。過度に撮影が邪魔になることがないし、毎回変わるので再訪する動機にもなりますし。
それはともかく抱一さんらしい上品な作品ですね、これ。あだ、もう少し夜っぽくてもよいのでは?とは思いますが。月に梅。
- 鈴木其一「牡丹図」(53)
- 小さな部屋のほうは牡丹の特集展示。そんな中でも其一さんの牡丹は細密さと濃淡で惹きつけられるものがあります。
うん、やはり同窓会気分で楽しんでみてましたわ。良い美術館です、山種美術館は。