月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

縄文展@東京国立博物館(前編)

東京国立博物館で、特別展の縄文展を見てきました。
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昔は縄文時代の考古は美術館の展示の一番初めにある古臭いもので急いで通り過ぎるというものだったと思うのですが、注目度が一気に上がったのは、2009年だったかに大英博物館でやった土偶展辺りではなかったかと。
ちなみに大英博物館の土偶展は巡回して日本でも開催されたんですよね。
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そんなことはともかく、展示を見ていきましょうか。
展覧会の前半は、土器を中心に生活の道具を見ていきます。

最初に展示されていたのは、山梨で発掘された深鉢形土器(30)。大きさもあり、また曲線模様が目を引きます。

北海道の漆塗注口土器(6)は、要するに急須なのですが、その赤い色が鮮やかなのが注目点。この色は何の色なんだろう?名称からして漆なんですかね?

青森県の三内丸山遺跡から来ていた縄文ポシェット(8)。木の皮で籠を編んでいます。縄文時代に籠を編んでいたんだというのと、よく残ったなぁという二重の驚きがあります。
福井県から来ていた耳飾り(15)。沢山の耳飾りが展示されていましたが、どれもきれいに丁寧に磨かれているのが良いですね。

東京たてもの園が所有する土製の耳飾り(16)は、丁寧な透かし模様になっているのが特徴。明確に美意識があって作られたものが登場です。この透かし模様、どのように作ったのか気になります。彫って作ったとは思えないので、土を細く薄くしたものを重ねて、焼いて作ったのでしょうか

硬玉製大珠(18)は、翡翠の緑色が印象的。糸魚川から栃木に運ばれて加工されたとか想像すると、ワクワクします。


この先では、土器の模様の変遷をたどる展示がありました。

まずは縄文前期の土偶として、埼玉県から出土された片口付深鉢形土器(27)。これはいかにも縄文時代という感じの縄目がしっかり見えます。

そして縄文中期からは新潟県十日町の火焔型土器(28)。ほかの土器と比較してみると、この火焔、もともとは棒を通して吊るす部分が装飾になって進化した部分だということがわかります。というか、そうだったんだ、というのがこの展覧会最大の発見ですね。

さらに縄文後期になると、ひっかいたような模様が主流になっていって、一言で縄文といっても装飾の仕方は時代によって変化しているのが良く判りました。


そして前半の最後では、日本で縄文土器を作っているときに世界ではどんな土器を作っていましたかという展示で。
なんか世界がつるんとした土器に進んでいく中、日本は逆にうねっていく感じが面白い気がしました。



と、これだけ見てやっと前半終了です。後半に行く前に少し休憩を入れましょうか……(ということで、次回に続く)