月猫ツーリスト

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美の祝典Ⅲー江戸絵画の華やぎ@出光美術館

7月に入って、夏ってこんなに暑かったっけなぁと思う日が続きましたが、そんな日は鉄道に乗るなり美術館に行くなり、とにかく屋外に出ないで過ごすことが肝要です(いや、それ普段と同じだろ、という突っ込みは却下)。

そんなことを考えながら、向かったのは出光美術館です。
余談ですが、出光美術館から見る皇居も、いかにも水蒸気が多そうな感じで……。
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さてその出光で開かれていた展覧会は、開館50周年記念の「美の祝典」。4月から始まっている展覧会ですが、1ヶ月ごとに展示を前面入れ替えして、今の展示は第3部になります。今回の展示は、江戸絵画を中心に、出光の選りすぐりを展示していました。


まず最初の展示室は肉筆浮世絵と、江戸時代初期の町並みを描いた屏風が並びます。

「南蛮屏風」は、南蛮船が住吉の浜のような砂浜に到着した様な場面が描かれます。
で、南蛮人の衣装が珍しかったのでしょうね、人々の着ている物が変化に富んでます。特に、宣教師の衣装はびっくりしたんでしょうなぁ。どう見ても首だけお化けのような格好になった人が沢山描かれてて……、ちょっと怖い、かも。

洛中洛外図屏風」は右に方広寺、中央に御所、左に二条城を描くパターンBですが、左端には伏見城、右端には保津川下りまで描かれてて、ここまで範囲が広い洛中洛外も珍しいです。


2つめの展示室に行って。前半は江戸を描いた作品が並びます。

「江戸名所図屏風」は洛中洛外図屏風の江戸バージョン。浅草から芝浦までの範囲が描かれてます。
個人的には、神田川のところが石垣を積んだ崖になっていて、なるほど駿河台を削ってつくった人工河川らしさが描かれているなぁなどと思ったw家ですが。あと、当時(江戸城天守閣があるので1600年代前半だ)の繁華街は今の日比谷線の八丁堀〜築地辺りなのねぇと。今じゃすっかりオフィスビルばっかりですけど、この辺りは。

英一蝶さんの「四季日待図巻」は、三宅島に島流し中に描いたというだけあって、細部がとても丁寧でしたね。


2つ目の展示室の後半は、「美の祝典」の全期間で展示されている「伴大納言絵巻」、今回は3巻あるうちの下巻を公開です。というか、1月おきに上巻、中巻とみて、もう下巻なんですねぇ。月日が経つのは早いわ(大げさ)。

で、感想としては上巻、中巻と同じなのですが、人の表情がバリエーション豊かですなぁ。良いものを見ることが出来ましたわ。


最後に2つ目の展示室。こちらは琳派大集合でした。

まずは伝尾形光琳の「禊図屏風」。画面の右半分が川面、しかも半円形を描いて流れていて。なんかもうデザインの勝利って感じで見るからに光琳ですなぁ。「伝」抜きで光琳作で良いんじゃないかしら?


それから抱一さんの作品が続きまして。まずは「紅白梅図屏風」。
銀箔の屏風に梅の枝と花が描かれてというものですが、銀の下地が若干黒ずんでてもったいないなぁと。その点を除くと、枝の曲がり方やたらしこみの感じが楽しい屏風です。

そして「風神雷神図屏風」に「八橋図屏風」。普段なら余裕でセンターを取れる屏風が、なんか狭い空間に押し込まれてるように感じられます。というか、出光美術館の江戸絵画は層が厚すぎるのですが。
この2作品、どちらも光琳リスペクトの作品ですが、なんとなく光琳のを元に、更に線を省略して描いたような、そんな感じがします。そのせいか、光琳のよりも軽快な気がするのですが、どうなんだろ。あと、たらしこみの技は光琳より抱一ですな。

それから、抱一さんと言えばこれでしょう「十二ヵ月花鳥図貼付屏風」。やはり鳥さん、かわゆいです。特に10月のおしくらまんじゅうなんてね。
あと、11月の白鷺や6月の紫陽花に顕著ですが、グラデーションが細かい箇所もあって。白鷺の羽は若冲動植綵絵に通じる部分もあるように思えます。


最後に登場するは鈴木其一さん。「四季花木図屏風」は原色べた塗りで、高速ストロボで陰影をなくして一瞬を撮影したような、そんな動きの止まった感じが出ています。それって自然を描くときに有りなのか?とも思いますが、個人的には好きですね。

かといえば「秋草図」は、其一さんの繊細さが光っているわけで。多芸で切れ味抜群の其一さん、やっぱ素敵だわ。


といった感じで、後半の琳派は舞い上がってますね、私。良いものを見ることが出来ましたわ。