今日は国立西洋美術館に、レンブラント展を見に行ってきました。
この展覧会、会期は明日12日までということもあって、会期末は混雑するの法則通り超絶混雑。とにかく混雑が激しくて、私が出たころ(14時30分頃)には入場制限が行われてました。館内も版画作品に三重の人垣、一番多いところは七重の人垣とか……。しかも相手は版画作品ですので(小さいから)人が動かない。単眼鏡が必須の展覧会でした。
今回のレンブラント展、テーマは「光と闇とレンブラント」。なんでレンブラントライトがテーマかと思ったらさにあらず。陰影表現を版画を含めて辿ってみようというものでした。
版画作品は白と黒の世界なので、陰影を意識するのが早かったのでしょう。レンブラント以前の作品が紹介されていましたが、その中でも夜の表現が卓越しているように感じました。例えば、月の映り込む川面が綺麗な版画(スヘルデ・アダムスゾーン・ボルスウェルト「月明かりの風景」)とか、祈祷書に影が映り込む様が鮮やかな版画(ヤン・ファン・フリーと「聖ヒエロニムスの改悛」)などは、特にそうです。
版画というと、この展覧会で特に強調されてたのが、レンブラントが版画の紙に和紙を多用していたこと。和紙は初回限定版みたいな位置づけだったそうで、言ってみればデジパック仕様のようなことでしょうか(なんのこっちゃ)。
この展覧会では、同じ作品を和紙に刷ったものと洋紙に刷ったものを並べて展示して、違いがわかるようにしていました。なるほど和紙にすると、窓から差し込む光が柔らかくなる感じがして、良い感じです。一方洋紙は白飛びしたように見えてしまって今ひとつ。何となくですが、和紙はコントラストは低いものの、色空間は広い感じがします。いや、モノクロだから色空間、では無いですが。
ところで西洋紙と和紙での違いとかやるのであれば、作品一覧にも材質など書いて欲しかったです。46と47のどっちが和紙だったかなんて、もう思い出せませんから(いや、メモしてこなかったのが悪いんだけど)。
一方油彩画は15点と少ないのですが、その中では「音楽を奏でる人々」の中央に座る女性のおよーふくが素晴らしくて、暫く見つめてしまいましたわ。すごく質感がリアルで、触りたくなります(絵に触れてはいけません)。
とにかく、良い作品も多かったのに、人が多すぎてじっくり観られなかったのが残念。夏休みに名古屋市美術館に巡回しますので、きっと東京ほどには混まない名古屋でゆっくりと見直したいと思います。