11月3日の文化の日のことですが、奈良で正倉院展を見た後に、滋賀県まで移動して、「神仏います近江」展を見てきたのでした。
この「神仏います近江」展、会場が3カ所に分かれていて
という感じになっています。
このうち信楽会場はバスで片道50分の奥地ですので今回はパスして、残りの2カ所を巡ってきたのでした。以下に、ごくごく簡単に感想を書きます。
瀬田会場〜祈りの国、近江の仏像
瀬田駅からバスで10分ほどの滋賀県立近代美術館が瀬田会場。ここでは滋賀県内の各地に伝わる仏像をずらっと並べて、時代順に変遷を眺めてみようという企画となっています。といっても、京都の隣で比叡山も近く、古くから仏教が盛んだった近江国のこと、ずらっと並べると言って会場に入りきるものでもありません。なので会場入り口の序文で、800年ざっとだから、と、わざわざ念を押してます。といいますか、言い訳する序文というのも中々珍しいです。
最初のほうは平安期の仏像。やっぱりお顔が柔らかくて、見ていてほっとします。
西教寺の木造阿弥陀三尊像。三尊とも、何となく前のめりなお.がユーモラスです。あと、観音様の衣に、模様がはっきりとと見えるのが面白いです。
後半のほうは、不動明王さんのコーナー、地蔵菩薩のコーナー、木目を行かしたコーナーなどと、テーマ別にも分かれていました。そんな中では、百済寺の聖観音様が、木目も地肌も美しくて、素敵でした。なお、10月中は同じく百済寺の如意輪観音様も一緒にいたそうで、それがやっぱり見たかったなぁと。
と、こうやって近江国の仏像をざっと見ていくと、それぞれのお寺にも興味が出てきます。といいますか、百済寺は行ってみたいですよ、如意輪観音様にお会いするために。
大津会場〜日吉の神と祭り
瀬田駅に戻ってJRと京阪の路面電車を乗り継いで、大津市歴史博物館へ。ここが大津会場と言うことになります。ここでは、仏、ではなく神のほうに焦点を当てた展示となっていました。
この日は、この後で静岡県でのコンサートに向かうために博物館にいることが出来るのは30分と、時間が足りませんでした。ということで駆け足だったので、余りじっくりと見ることが出来ない。なのに、会場に入って最初に登場したのが、神像100体!。100体もあると、どんなに駆け足で見ても時間がかかるわけで、もう本当に時間配分が間違ってます。
その100体の神像、どれも民間信仰で作られたのではないかと思う荒削りなもの。円空仏の平安神様編という感じで、一つ一つの表情が違っていて面白いです。しかし良く、100体集めてきたもんです。
後半は、日吉神社の祭司に関する掛け軸やら屏風やら。特に、日吉山王祭については御輿に付いているものや、祭礼の様子を描いた屏風などが有りました。そんな日吉山王祭礼図屏風の中に、特に鮮やかで見入ってしまったものがあったのですが、よくよく見ると、サントリー美術館蔵。毎度のことながら、サントリーは良いものをお持ちです……。
ということで、時間が無かったので駆け足でしたが、一つの県の中でこれだけの質と量を集めてこれる滋賀県って凄いなというのが率直な感想。遠いですけどMIHO MUSEUMにも行って、神仏近江コンプリートを目指したいです。