月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

年末に仙台巡検

昨年、最も気になっていたことは、3月11日の後に岩手・宮城・福島・茨城・千葉太平洋岸、いずれにも出かけていないことでした。津波の被害については知っているつもりで、以前にもこの駄文で津波の危険について書いたりもしていますが、3月の津波は、そんな私の生半可な知識の上の上を通っていったわけで。やはり現地の状況を見て、津波に対する理解をしっかりしたものにしておきたいと思いまして。
また、3月11日から9ヶ月を経て、地震直後の思いが薄れている気がして、もう一度当時の気持ちを思い出したい、というのもあります。

ということで12月30日、「ふるさと行きの乗車券」を手に、上野駅から東北新幹線に乗車して仙台へ。仙台からは仙石線で松島海岸駅に向かいます。途中、塩竃市内を通過する際、海側には津波の後と思われる跡が確認できました。


松島海岸の駅からは、仙石線代行バスに乗車します。

ここから代行バスなのは、仙石線は松島海岸の次の高城町から矢本の間が今も不通だから、もっときちんというと、東名駅〜野蒜駅付近の津波被害がひどく、集落の移転が考えられることから、です。ここは東側の野蒜海岸から来た津波が横切って、西側の松島湾に達してしまったところ。そのような場所なので、集落移転の可能性ありと、JRは考えているのでしょう。

確かに東名駅に着くまでは、列車の通ることのない線路の電柱が傾いているくらいでしたが、東名駅に来ると、すっかり線路が砂に埋まっていて、電柱は無い状態。しかも、線路を覆う砂はそれなりに深そうに見えました。また、砂に埋まってない部分は、盛土ごと流されている場所で、どちらにしても線路の復旧は一筋縄ではいかなさそうな感じでした。
また、壊れた家屋も眼にしたのですが、流石に写真に記録する気にもなれず。

野蒜駅の次の陸前小野駅の辺りは、津波が来たのかなと思う部分もありましたが、外観は修復されていました。この陸前小野駅から先は今年度中に復旧予定なので、線路にバラストを踏み固める機会などがあって、少しほっとします。


矢本駅で代行バスを降りて、気動車に。本来仙石線は直流電化区間ですが、車両基地が不通区間の向こう側にしかないのと、変電設備が壊れたのとで、燃料があれば走れる気動車の出番となっています。

ということで、石巻駅に到着。石巻は駅前を含めた町全体が津波の被害に遭っているはずですが、駅前にはその痕跡はもうありません。で、時間もあったのでアーケードの通りを旧北上川に向かって歩いてみますと、しっかりと建っているものの1階を板でふさいだ建物が増えてきます。要するに、1階は津波で窓ガラスなどが割れてしまったということです。
また、旧北上川に架かる橋は海側が激しく傷付いていて修復工事中。やはり、とんでもない威力がかかったようです。


石巻からは高速バスで仙台へ。仙石線が不通のため、30分に1本と増発されていました。仙台から、今度は仙台空港行きの電車に乗ります。仙台空港周辺も、津波の被害があった場所です。なので、仙台空港直前では、津波による、自動車などが散乱している光景が、今でも見ることが出来ました。


とりあえず、短い時間でしたし、鉄道とバスで回れる範囲を見ただけですので、表面的に見ただけですが、津波は本気で逃げ無ければ駄目だと改めて思う次第です。