もう10日くらい前ですけど、松涛美術館の「渋谷ユートピア」展を見てきました。
松涛美術館は、渋谷のBunkamuraと東京大学(駒場I)の中間くらいにあります。最寄り駅は京王井の頭線の神泉駅になりますが、渋谷から神泉の1駅だけ京王線に乗るもの面白く無いので、勢い渋谷駅から歩くことになります。と言っても、渋谷マークシティの道玄坂上の出口から神泉駅までは道を知っていれば5分とかからない距離ですから、渋谷駅からでもそんなに遠いわけではありません。
という訳で到着した渋谷ユートピア展、渋谷区内に1900年から1945年までの間に住んで活躍した画家を、その作品と共に紹介していく、というものなんでが、トップバッターは菱田春草!。いきなり超有名人からスタートです。その後も、岡田三郎助、岸田劉生、杉浦非水、竹久夢二と止まりません。明治の後半から大正の末期は、渋谷区は豊多摩郡渋谷町、代々幡町、千駄ヶ谷町だった頃。東京市赤坂区に隣接するこのあたりは都心に最も近い郊外という感じで捉えられていたのでしょう。ちょうど今の府中や調布のような感覚かもしれません。
ちなみに今回の展示では、各画家がどこに住んでいたのか、地図上に表されていました。竹下夢二が住んでいたのは宇田川町の交番あたり(正確には渋谷クアトロの辺り)って、今はすっかり繁華街ですが当時は川沿いの住宅地だったようですね。
私のお気に入りは杉浦非水のポスターたち。三越呉服店のポスターや地下鉄の開業ポスターはアール・ヌーヴォーな部分もあって、いま見ても斬新だなと。
あと、辻永は恵比寿(ガーデンプレイスの裏手あたり)で羊を飼っていたそうで、そんな絵も微笑ましいです。ちょっとドニに絵の感じが似ているかもなどと思ったり。
そして2階に上がって最後の締めはハチ公の銅像。もちろん今渋谷駅にあるのを持ってきているわけではなく、安藤照が作った、最初のハチ公像のミニチュアです。これが可愛いのと、渋谷しい感じでした。
いや、渋谷の画家なんてそんなに知らないし、と思って入ったら有名な方の作品をたくさん見られてお得な展覧会でございました。
展覧会メモ
名称:開館30周年記念特別展 渋谷ユートピア1900-1945
場所:渋谷区松濤美術館
会期:2011/12/06(火)-2012/01/29(日) [10時〜18時、金曜10時〜19時、月曜休館]