山種美術館で開催中の「前田青邨と日本美術院」を見てきたのでした。
撮影する自分の姿が映り込まないようにしたら、こんな角度に……(汗)
この展覧会、タイトルの通り前田青邨を中心とした構成で、実際に前田青邨の作品が一番多い(58作品中13作品)のですが、正直なところ青邨の印象はそんなに強くなくて、他の作品の方が印象が深いです。
で、それならば今回の展覧会で最も印象深い作品はといえば、やはり速水御舟の「炎舞」(50)。流石に充分に重文に値する(をぃ)作品だけあります。
元々この作品は炎の表現が秀逸で、炎のグラデーションや炎に飛び込む虫の羽が鮮やかなのがみどころ。それが今回は照明のバランスがとてもよくて、まるで炎にだけ照明を当てたような。本当に炎が浮かび上がって見えます。
良い作品に良い照明を当てると、作品が数割増しで良くなりますね。
ということで「炎舞」だけで感想を終わらせてもいいのですが、一応そのほかの作品も……。
- 小堀鞆音「那須宗隆射扇図」(5)
- 那須与一が海の中から馬に乗って扇の的をまさに射ようとする場面。歴史画ではありますけど、那須与一の背中が描かれているせいか、この絵は割合好きです。
- 木村武山「秋色」(17)
- 金泥と銀泥で描かれた秋草が何か良い。
- 横山大観「燕山の巻」(6)
- 大観にしては建物の意匠とか悪くないなと(我ながら、大観に対しては評価が厳しい)
- 菱田春草「釣帰」(14)
- 幻想的にも見える湖畔の風景。朦朧体に湿度を感じます。
- 下村観山「老松白藤」(13)
- 藤の花は良いのですが、中央の幹が主張しすぎな気が。
- 小林古径「弥勒」(19)
- この磨崖仏、線で描かれているのに動きそうだわ。
- 安田靫彦「出陣の舞」(24)
- 出陣前の織田信長。敦盛の歌詞が聞こえてきそうな。
- 奥村土牛「雨趣」(38)
- 雨に煙る民家の屋根。こんな風に見えるときって、梅雨時に田舎の方に行くと実際にありますな。
- 奥村土牛「犢」(40)
- 95歳の時に描いた牛。ちょっと目の辺りがぼやっとしていて、筆の勢いが落ちている気も?
- 奥村土牛「城」(39)
- 姫路城を見上げての構図。建物の直線を強調していて、これは直線を書きたかったんじゃないかなぁ。
あれ?そういえば前田青邨さんの作品は何もメモしてないぞ……(をぃっ)。
どうも山種のコレクション展は、何度か同じ作品を見ているせいか好きな作品が決まってきてしまっているような……(汗)