月猫ツーリスト

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

これからの美術館事典@東京国立近代美術館

独立行政法人国立美術館は全国に5つある国立美術館を束ねる組織ですが、今まで各美術館は独立して動いてていて、あまり各館の横のつながりというものを感じることがありませんでした(国立文化財機構が担当する国立博物館と違って、展示の対象が異なるなど横のつながりを活かしにくいというのはありそうですが)。

ですが今回、その5つの国立美術館が集まって、「美術館」自体をテーマにした展覧会をやるということで行ってきたのでした。会場はもちろん、国立美術館の旗艦店、じゃない、旗艦館である東京国立近代美術館です。
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今回の展示はAからZまで、そのアルファベットで始まる美術館に関係ある言葉(たとえばAだったら"architecture"建築、という感じ)を取り上げて、それぞれの言葉を表すものを展示していこうという趣向です。


以下、写真もほぼ撮影可能でしたので、写真とともに展示を振り返ります。

Artist 【アーティスト】
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美術館に必須なもの、というかこれがないと始まらないのが、美術品を生み出す作家さんです。ということですが、藤田嗣治アンリ・ルソーの並びって、そうそう無いんじゃないかしら?

Conservation 【保存修復】
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美術館では作品を将来にわたって保持するために、修復することも大切。この安井曾太郎の「金蓉」は修復前のパネルと並べて展示されていました。ひびを修復したのですが、このひび割れは作品が完成した直後からあったということで、どこまで直すべきか相当悩んだようです。

Earthquake 【地震
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日本で美術館をやる以上、地震は避けて通れません。ということで、地震の際の強い味方、免震台が展示されてました……。展示?

Frame 【額/枠】
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美術品を飾る際には必ず登場する額縁ですが、額縁次第で作品の印象も変わりますからね。
ここに展示されているのは西美の備品の額縁。何となく、額縁の中に先ほどの「金蓉」が入るように撮影してみたのですが、ちょっと作品が重くなったかなぁ?

Hanging 【吊ること】
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美術館で展示をするときは台の上に置くだけではなく、壁から吊るすこともよくあります。ということで、壁から吊るす金具を……。展示?

Original 【オリジナル】
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美術館に展示されているものは基本的にはオリジナル作品なのですが、時には版画のように複製品だってあるわけです。
ここに展示されているのはデュシャンのレディ・メイドの作品。オリジナルの概念がアウフヘーベンしてしまって、もう何が何だかではあります。

Storage 【収蔵庫】
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美術館は展示スペースが限られているので(または、材質的に常時展示できないものもあるので)すべての作品が展示されているわけではなく、収蔵庫に収められている作品もあるのです。ということで、ここで各美術館の収蔵庫を再現展示。展示されているのに収蔵庫に収蔵中という良くわからない状態になってます……。
ここでは、各美術館に必ず1点はある藤田嗣治の作品を収蔵庫に収めてましたが、収蔵庫の雰囲気は各美術館とも同じような感じなのに、藤田の作品はそれぞれ個性があるのが印象的でした。

Temperature 【温度】
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美術品には材質的に高温や湿度が苦手なものが多いため、温度や湿度の管理が重要です。管理の第一歩は計測することからですので、こんな温湿度計で常に計測するのです。
個人的には、これの記録紙の取り換えとか20年くらい前にやったことがあるので、妙に懐かしいです(美術館の中ではなく、百葉箱の中にあったやつですが)


と、こんな感じで。展覧会に行くと美術作品そっちのけで展示手法や展示室の作りに目をやってしまう施設系美術ファン(なんだそれ)としては、趣味のど真ん中にストライクした感じの展覧会でした。会期が9月13日までとまだまだありますので、もう一回くらい見に行きそうな気がします。