月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

京都文化博物館リニューアル

京都三条京都文化博物館、煉瓦造りの中京郵便局を転用した重厚な建物とは裏腹に、一度見れば充分な常設展示と如何にも箱貸しという感じの特別展という、今ひとつ垢抜けないイメージの美術館です。
ですが、全館休館にしてリニューアルを行って、7月9日から新装開店しました。で、常設展示の中で期間を区切ったテーマ展示が出来るようになり、その第1弾が永青文庫の名品というのを聞いて、これは本気でリニューアルしてきたんじゃないかと……ということで、早速確認してきました。


まず最初に見たのは特別展の「日本画 きのう京あす」。

京都画壇の日本画家さんの作品を1点ずつ見てみようというもので、前半は過去の画家30人ほどの代表作を、後半は現役の画家200人ほどの新作を展示するというものでした。竹内栖鳳も小野竹喬も素晴らしいですが、私にとりましては菊池契月の「少女」を見ることが出来て素敵でございました。三つ編みの少女は素晴らしいです(?)。

現在の作家さんの新作にも気になる絵がありました。とはいっても、200点もあるのので流し見しか出来ませんでしたけど。流石に点数が多すぎます。


ほんで、本題の通常展示のほうです。変わったなと思うのが、常設の展示コーナーが2階の3割程度にまで縮小され、京都市の歴史を簡単に説明するだけになっていたこと。代わりに、残りの空間が小特集用の展示スペース3つに分割され、それぞれのコーナーで「ほんもの」に触れて貰うというコンセプトになっていました。結構大胆な構成です。面白い試みで、少なくとも、一度来れば充分ということにはならなさそうなのは歓迎です。

で、今回は3つのコーナーのうちの2つで永青文庫のコレクションを50点ほど展示していました。空間に対して展示数が少ないので、ゆったりと見ることが出来ます。
今回は、京都に因んでだと思いますが、源氏物語に関するものが有りました。源氏物語の各帖ごとに閉じられた冊子は、細川幽斎の筆によるものだそうで、装丁も綺麗で、こんな感じのものが一つ欲しいと思うものでした。



とりあえず、リニューアルの結果、私の好みの方向に近づいたような気がします。今後は時々訪れてみても良いかなとと思います。特に、年末年始には池大雅に関する小特集があるようですので、これは絶対に外さず行こうと思います。




おまけ:京都文化博物館の1階にある喫茶店にて

暑いときでないとコーヒーゼリーは欲しくならないのよね……。