東京都庭園美術館で行われている森と芸術展、そのパンフレットには「ブルターニュのアンヌ女公への礼讃」という絵が一面に描かれています。このパンフレットを見たときから、「森と芸術」展のテーマソングは「図書館は何処ですか」(谷山浩子)となってしまっていて……。東京都庭園美術館も森の奥にある図書館のような空間ですが、そんなイメージの展覧会です。
この展覧会、森を芸術というか絵画ではどのように扱ってきたのかを見ていくような構成になっていて、章立ては時代順というかテーマ順で
と8つに分かれています。
私にとって美味しいのは、やはり4章と6章。4章では原画なのに充分素敵なモローの「恋するライオン」やガレのランプ、ドニの装飾的絵画と,好みのものが一部屋に集まっていて素晴らしいです。
6章の方も、先日勉強したグランヴィルなど、絵本の中の挿絵が一部屋に大量展示で、空間自体が至福です。
あと、「シュルレアリスムの森」のコーナーは割合広く取ってありました。シュルレアリスムは余り良く判ってないので、ざっくりとしか見てませんが、デルヴォーが森の文脈で登場してくるのが意外で面白かったです。何となく、都会的なイメージがあるんですよね、デルヴォーには……。
ともかく、非常に空間がよい展覧会でございました。ちょっと空間に浸ることで満足してしまい、作品はちゃんと見てない気もするので、7月3日までの会期の間に、もう一度行きたいと思います。あと、今後の巡回先(福井、札幌)では、かなり展示される作品が違うようなので、そちらでも行って見たいです。
なお、今回の展覧会の図録は市販されています。これだけでも、充分堪能できる出来映えです。
- 作者: 巖谷國士
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2011/04/21
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