月猫ツーリスト雑記帳

かわいいものを求めて西へ東へ右往左往の記録

橋口五葉展@千葉市美術館

千葉市美術館で開催されている、橋口五葉展に行ってきました。
千葉市美術館は近隣の駅から離れているので、この暑い季節に駅から歩くのは辛いのですが、一寸涼しくなったとこで行って見た次第です。
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今回の展覧会では橋口五葉の画業を学生の頃から死去するまで順にたどるというもの。正直、橋口五葉さんは「髪を梳く女」くらいしか判ってないのですが、最初の頃は日本画と洋画を行ったり来たり。その中で次第に装飾的な作品が増えてくるのは、アール・ヌーヴォーナビ派など、その時代の西洋絵画での流行も関わっているのでしょうね。


橋口五葉は夏目漱石泉鏡花の装丁も担当していて、多数展示されてました。この時代の装丁は色も含めて軽やかな感じで好きなのですが、好きと思っていた装丁に五葉のものが結構含まれていたようです。
なお、そんな装丁をプリントしたブックカバーがミュージアムショップに売っていまして、思わず購入(汗)


そして有名な新版画は、最後のコーナーに。やっぱり「髪を梳く女」には吸い寄せられます。髪の毛がベタではなく、細い線が見える、そんな丁寧な仕事が素敵です。また、黒髪は近寄ってみると、雲母で擦っているのですね。仄かな煌きがまた良いです。

橋口五葉は若くして亡くなったため、下絵の段階で止まっていた版画もあり、これらは遺族等によって完成作品に持って行っているのですが、彫りの細かさなどが不足しているような気がします。


ということで橋口五葉の画業を順に見ていったわけですが、やはり好きな絵を描く方は、それ以前にも(たとえ違う感じの絵であっても)私の好みにあるものを描いているなと。
いや暑い中、見に行った甲斐がありました。