偕楽園で花見をした後のことですが、水戸芸術館で山口晃さんの展覧会を見てきました。
山口晃さんといえば、現代の画家の中では珍しく好みでして、過去にも何度か展覧会に行っています。
[参考]過去に見た山口晃さんの展覧会等とその感想
おかしいな、これ以外にも行っているはずなのに、駄文が書けてないですね……。
そんなわけで館林以来1年ぶりの山口晃展、開会日に間に合ってない噂が聞こえてきましたが(平常運転)、どうだったのか。簡単に感想を書いてみます。
まずは会場に入りますと、低い柵で区切られた通路がありまして……この通路、一番奥の部屋まで繋がっていって、途中は立ち止まることなく強制的に一番奥まで連れて行かれます。作品が見えているのに立ち止まって見ることの出来ない意外性。中々面白いです。
そうやって連れて行かれた一番奥の部屋は、雰囲気的には澱エンナーレの空間のようです。
まずは、横浜そごうの澱エンナーレでも見た「ワールドアパートメント」。その水戸バージョン。水戸芸術館のタワーは高層マンションだったようですが、どの部屋も庶民的やなぁ。
「紙ツイッタ-」と称してノートに140文字以内でつぶやいていく企画をやってました。まるで誰のフォローもしていない横尾忠則さんのようだななどと思うのですが、それをわざわざノート上でやるのがシュールで良いです。
次の部屋では、1室まるごと使って電柱を再現しています。あなたのお近くに、ほら電柱(なんのこっちゃ)。
電柱と反対側の壁に電柱華道の説明文も展示されていましたが、これはフルで展示したほうが判りやすかったかなぁと。
更に手前の部屋に戻ってきて、こちらは少し大きめの作品が並びます。
「九相図」のタイトルで2つの作品が並びます。まず2003年に描かれた方は、オートバイと馬のキメラ描かれています。そして2015年に描かれた新作は、これは改造人間でしょうか。見慣れているのもあって、オートバイと馬のキメラのほうがしっくりきます。
また、ショッピングモールを描いた作品がありまして、こちらは住宅都市整理公団の大山総裁が、ショッピングモールは壁の内側に都市を作るというようなことを言っていたのを思い出したり。
その先の部屋には、「東京山水」が部屋を占有していました。2012年に京都であった展覧会で見たときから特に加筆されてはいないようで、なるほど締め切りを過ぎると「火が落ちる」とはこのことかと妙に感心したりして。
という感じで、正直なところ新作でない作品ももう少し見たかったなと思うのですが、その希望は何故か水戸芸術館の外で叶えられるのでした。
その話については、また今度。